专利摘要:
1又はそれ以上の化学療法剤を受ける被験体において、例えば、1又はそれ以上の化学療法に関連する毒性を低減し、予防し、緩和し、及び/又はその発病を遅延し、その重症度を減衰し、及び/又はその消散を促進するための組成物及び方法。さらに、化学療法により誘導された新規な形態の末梢神経障害を緩和又は予防するための組成物及び方法が、開示及び特許請求される。なし
公开号:JP2011514356A
申请号:JP2010550648
申请日:2008-03-14
公开日:2011-05-06
发明作者:ハウシェール,フレデリック,エイチ.
申请人:バイオニューメリック・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテッド;
IPC主号:A61K31-185
专利说明:

[0001] (関連出願)
本出願は、2006年12月13日に提出された「化学的保護方法及び組成物(CHEMOPROTECTIVEMETHODS AND COMPOSITIONS)」と題された、公開された米国特許出願第11/638,193号の一部継続出願であり、この米国特許出願第11/638,193号に対する優先権を主張するものである。]
[0002] (発明の分野)
この分野は、医薬品及び医薬治療を含み、このような医薬品及び医薬治療としては、例えば、(i)化学的保護化合物及び化学療法剤を投与する方法;(ii)化学的保護化合物及び/又は化学療法剤を含む処方物;(iii)化合物及び/又は処方物を含む送達(delivery)装置;並びに(iv)必要とする被験体を治療するために処方物及び装置を用いる方法が挙げられる。さらに、化学療法により誘導された新規な形態(又は型)(form)の末梢神経障害を緩和又は予防するための組成物及び方法が、開示されかつ特許請求の範囲に記載される。]
背景技術

[0003] (発明の背景)
抗癌療法(化学療法剤の投与など)は、化学療法に関連する毒性を含む有害事象(Adverse Events)に関連する。化学療法に関連する毒性としては、例えば、神経毒性、腎毒性、耳毒性、アレルギー性又は過敏性反応、肝毒性、骨髄抑制(myelosuppression)並びに他の毒性が挙げられる。]
[0004] 化学療法に関連する毒性は、患者が受ける治療に対する潜在的な恩恵を実質的に相殺又は制限し得る。非限定的な例として、化学療法に関連する毒性は、治療の遅延、治療の中断、用量の変更、用量スケジュールの変更又は治療の完全中止さえももたらし得る。したがって、これらの有害な薬理学的影響に加えて、化学療法に関連する毒性の発生は、患者の癌の主要な治療の有効性を制限もしくは縮小し得るか、又は有効性を一斉になくし得る。化学療法の中断、遅延、用量の低減又は中止により、被験体の癌が進行する可能性があるため、患者の治療の中止、中断もしくは遅延、又は化学療法の投与量の低減は、例えば、被験体が長期間生存する機会又は癌の制御に支障をきたすかもしれない。いくつかの例において、これらの化学療法に関連する毒性が深刻であるか、及び/又は長引くので、患者にとって直ちに生命を脅かすか又は致命的であることは、十分に認識されている。]
[0005] 現在、FDAに認可された化学療法剤は、約20の承認されたクラスが存在する。これらの分類は、特定の薬剤に共通の構造(すなわち、構造に基づくクラス)又は特定の薬剤の同定された共通の作用機序(すなわち、機序に基づくクラス)のいずれかに基づく概念であり;多くの例において、これらの分類は、異なる分類のアプローチ(different classification approach)によって同じ化合物を特定する。化学療法剤の構造に基づくクラスとしては、例えば、フルロピリミジン(fluropyrimidines);ピリミジンヌクレオシド;プリン;葉酸拮抗剤、白金類似体;求電子アルキル化剤;アントラサイクリン(anthracyclines)/アントラセンジオン(anthracenediones);ポドフィロトキシン;カンプトテシン;ホルモン及びホルモン類似体;酵素、タンパク質及び抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びエポチロンが挙げられる。]
[0006] 化学療法剤の機序に基づくクラスとしては、例えば、抗ホルモン剤;抗微小管剤(antimirotubule agent)、アルキル化剤(古典的及び非古典的)、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス薬並びに種々の細胞毒性及び細胞増殖抑制剤が挙げられる。]
[0007] タキサン化学療法剤は、とりわけ、胸部、卵巣、肺、膀胱及び食道癌を患う被験体を治療するために使用されている。代表的なタキサンは、限定することなく、例えば、タキソール(taxol)、アブラキサン(abraxane)など、及びそれらの類似体であり、それらの類似体としては、限定することなく、ポリグルタミン酸型(polyglutamylated form)パクリタキセル(ジオタックス(Xyotax)(商標))、リポソーマル(liposomal)パクリタキセル(トコソル(Tocosol)(商標))及びドセタキセル、並びにそれらの類似体及び処方物が挙げられる。しかし、タキサンの投与は、例えば、一般に、重篤な及び潜在的に生命を脅かす毒性の発生に起因して制限される。特に、タキサンの臨床的使用は、末梢神経系の毒性障害(化学療法により誘導された末梢神経障害を含む)を含む化学療法に関連する毒性に起因して、頻繁に、使用の遅延、変更又は停止(又は中止)を伴い、このような毒性障害は、しびれ、焼けつくような痛み(burning)、疼痛、感覚異常、知覚不全、知覚喪失、虚弱、麻痺、関節痛、筋痛並びに他の毒性及び有害事象(例えば、肝毒性及び骨髄抑制を含む)をもたらす。]
[0008] 白金類似体化学療法剤は、肺、頭部、頸部、卵巣、食道、膀胱、精巣及び他の癌を患う被験体を治療するために使用されている。限定されない例として、白金類似体化学療法剤に含まれる白金リガンドの価数は、白金(II)又は白金(IV)であってもよい。本発明の白金薬剤又は白金化合物としては、限定されない様式において、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン(satraplatin)、並びにそれらの誘導体が挙げられる。タキサン及び他の化学療法薬物と同様に、白金類似体は、腎毒性、骨髄抑制(bone marrow suppression)、神経毒性、悪心(又は吐き気)(nausea)、嘔吐などを含む多くの毒性に関連する。]
[0009] アミホスチン(エチオール(Ethyol)(登録商標))及び2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウムは、化学療法剤に関連する有害事象の予防及び緩和に使用するための、FDAに認可された細胞保護剤(cytoprotective agent)である。アミホスチンは、現在、シスプラチンにより誘導される腎毒性の予防を助けるために認可されている。しかし、問題として、アミホスチン投与は、悪心(又は吐き気)、嘔吐、及び深刻な低血圧などの本質的な有害な影響を増大させることが観察されており、神経毒性を低減又は予防することは明らかとなっていない。2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(メスナとしても公知である)は、オキサザホスホリン化学療法(特に、イホスファミド、及び頻度は低いもののシクロホスファミド)の投与に関連する尿路上皮管(例えば、主に、尿管、尿道及び膀胱)に対する出血毒性の予防を助けるために使用される。メスナ投与は、健康な被験体に対してさえも、種々の不都合な化学療法関連有害事象を引き起こすこと観察されており、このような有害事象としては、例えば、悪心(又は吐き気)、嘔吐、低血圧、疼痛及び下痢が挙げられる。例えば、Physicians Desk Reference(PDR)(非特許文献1)及びAmerican Hospital Formulary Service(AHFS)(非特許文献2)を参照のこと。]
[0010] 化学的保護剤及び組成物並びにこの化学的保護剤及び組成物の投与方法には、未だ遭遇したことのない必要性が残っており、この必要性は、化学療法に関連する毒性を最適に低減、予防、緩和及び/又は遅延でき、かつ他の点では、被験体における化学的保護剤の安全性及び有用性を制限又は妨害するかもしれない医学的に受け入れられない有害な影響を追加も増大もさせないことである。]
[0011] 化学的保護剤、組成物及び/又はレジメ(regime)の理想的な特性としては、(i)化学療法に関連する毒性の発病(及びそのような毒性に起因して付随する治療の中断、遅延又は用量の変更)における最大限の低減、予防、緩和及び/又は遅延;(ii)抗腫瘍活性の妨害の欠如及び化学療法の細胞毒性効果に対する腫瘍脱感作の欠如;(iii)医学的に受け入れられる安全なプロファイル;(iv)化学療法に関連する毒性を低減、予防、緩和及び/又は遅延するための生化学的及び薬理学的機序の活用;並びに(v)主要な化学療法治療の用量、頻度及び/又は期間を増大させることによる化学治療指数の増大が挙げられる。化学的保護剤が、活性であるが毒性でもある化学療法薬物、組成物及び/又はレジメンの治療指数を増大することができれば、この化学的保護剤は、腫瘍奏効率の増大、腫瘍の進行に対する時間の増加及び全患者生存期間(overall patient survival)により、被験体に有意な恩恵をもたらし得る。]
[0012] 本発明者は、以前に、例えば、(i)腎毒性を予防及び低減するため(例えば、米国特許第5,789,000号(特許文献1);同第5,866,169号(特許文献2);同第5,866,615号(特許文献3);同第5,866,617号(特許文献4);及び同第5,902,610号(特許文献5)を参照のこと)並びに(ii)抗新生物剤の治療指数を増大させるため(例えば、米国特許第6,037,336号(特許文献6)を参照のこと)、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート及び他のジチオエーテルの使用を開示している。2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムは、文献においてジメスナ、タボセプト(Tavocept)(登録商標)及びBNP7787と称されている。]
[0013] 本発明は、治療指数を維持又は増大しかつ化学療法に関連する毒性を予防及び低減しつつ、より一層の患者の安全性及び患者に対する恩恵を達成するための方法並びに組成物及び処方物、並びにこの組成物及び処方物を投与するための方法を提供する。このような毒性は、上記の特許及び特許出願に記載された毒性を含む。化学療法による患者の全体的な治療の安全性の程度を著しく増大させ、化学療法の薬理学的介入(intervention)に対する有害な生理学的応答を低減することによって、本発明の方法、組成物及び処方物は、例えば、(i)医師が化学療法剤の用量レベルを増大させて投与でき;(ii)化学療法剤をより頻繁に投与でき、すなわち、治療の間の時間間隔又は実際の治療時間を短縮でき;(iii)毒性の蓄積を予防することによって化学療法治療の回数を増やすことができ;(iv)上記(i)〜(iii)を任意に組み合わせることができ;及び/又は(v)上記(i)〜(iv)に記載されるように、患者の有益な成果に伴って、用量の変更、治療の中断もしくは遅延、又は治療の中止の事例の数を、単独で又は組み合わせて低減することができるであろう。]
[0014] 米国特許第5,789,000号
米国特許第5,866,169号
米国特許第5,866,615号
米国特許第5,866,617号
米国特許第5,902,610号
米国特許第6,037,336号]
先行技術

[0015] Physicians Desk Reference(PDR)
American Hospital Formulary Service(AHFS)]
[0016] (発明の要旨)
本明細書に記載されかつ特許請求される発明は多くの属性及び実施形態を有し、このような属性及び実施形態としては、この要旨に記述又は記載又は参照されるものが挙げられるがこれらに限定されない。この要旨は、包括的であることを意図するものではなく、本明細書に記載されかつ特許請求される発明は、この要旨に規定される特徴又は実施形態によって限定されない。また、この要旨は、限定する目的ではなく単に例示の目的で包含されるものである。]
[0017] 本発明は、方法、処方物及び装置、並びに前記の使用を含む。]
[0018] 方法、処方物及び装置は、化学療法剤を受ける被験体での毒性の低減、予防、緩和、その発病の遅延、その重症度の減衰、及び/又はその消散の促進のために使用できる。]
[0019] 方法としては、化学療法剤を受けているか又は受ける予定の被験体に、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)を、その被験体に対して約0.1g/分〜約2.0g/分の割合で投与する方法が挙げられる。]
[0020] 他の実施形態において、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約0.2g/分〜約1.0g/分の割合で被験体に投与される。]
[0021] 他の実施形態において、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約0.7g/分の割合で被験体に投与される。]
[0022] 一実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)の用量は、約45分にわたって被験体に投与される。]
[0023] 他の実施形態において、被験体に投与される2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)の総用量は、約4g/m2〜約35g/m2である。一の好ましい用量は、約18.4g/m2である。1又はそれ以上の前記用量の前記化合物を約45分にわたって被験体に投与することが、特に好ましい。]
[0024] 本発明はまた、化学療法剤を受ける被験体での化学療法に関連する毒性を低減し、予防し、緩和し、その発病を遅延し、その重症度を減衰し、及び/又はその消散を促進する方法であって、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)を、約0.1g/分〜約4.6g/分の割合で、約4g/m2〜約35g/m2の総用量で被験体に投与する工程を含む方法を含む。約0.1g/分〜約4.6g/分の割合で、約18.4g/m2の総用量で被験体に投与することが好ましい。約18.4g/m2の総用量を約45分にわたって約0.4g/m2/分の投与割合で被験体に投与することが特に好ましい。]
[0025] 他の実施形態において、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約1mg/mL/分〜約50mg/mL/分の割合で被験体に投与される。]
[0026] 本発明の他の実施形態において、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約7mg/mL/分の割合で被験体に投与される。一実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約45分にわたって被験体に投与される。他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、濃度約100mg/mLの化学的保護剤を有する処方物において被験体に投与される。さらに他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約45分にわたって、濃度約100mg/mLの化学的保護剤を有する処方物において被験体に投与される。]
[0027] 本発明の他の態様において、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約45分間、約7mg/mL/分の割合で被験体に投与される。本発明の他の態様において、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約7mg/mL/分の割合で、濃度約100mg/mLの化学的保護剤を有する処方物において被験体に投与される。本発明のさらに他の態様において、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、約7mg/mL/分の割合で約45分間、濃度約100mg/mLの化学的保護剤を有する処方物において被験体に投与される。]
[0028] 本発明はまた、化学療法剤を受ける被験体での毒性を低減し、予防し、緩和し、その発病を遅延し、その重症度を減衰し、及び/又はその消散を促進する方法であって、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)を含む組成物を被験体に投与する工程を含む方法を含み、ここで、この組成物は、正常範囲の血漿重量オスモル濃度(Osmolarity)の約0.1〜約5倍の重量オスモル濃度を有する。重量オスモル濃度は、溶媒1キログラムあたりの溶質のオスモル数(Osm)の単位である。本発明の他の態様において、組成物は、正常範囲の血漿重量オスモル濃度の約2〜約4倍の重量オスモル濃度を有する。本発明のさらに他の態様において、組成物は、正常範囲の血漿重量オスモル濃度の約3倍の重量オスモル濃度を有し、ここで、ヒト血漿の正常範囲は、約280mOsm〜約320mOsmの範囲である。]
[0029] 用量の変量、投与の割合、化学的保護剤の濃度、処方物の重量オスモル濃度、及び注入時間のうちのいずれか一つを、記載された量及び/又は範囲においてこれらの変量のうちの任意の1又はそれ以上の他の変量と組み合わせて、記載された1又はそれ以上の化学的保護剤のための組成物又は処方物又は投与方法を作製してもよい。例えば、正常範囲のヒト血漿重量オスモル濃度(これは、約280mOsm〜約320mOsmの範囲である)と比較して、処方物の重量オスモル濃度を変更して被験体に投与してもよい。重量オスモル濃度は、溶媒1キログラムあたりの溶質のオスモル数の単位である。]
[0030] 他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートは、二ナトリウム塩である。]
[0031] 他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート類似体(例えば、式(I)の化合物を含む)は、二ナトリウム塩である。]
[0032] 別の実施形態において、式(I)の化合物としては、例えば、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸一ナトリウム、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸ナトリウムカリウム、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二カリウム、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸カルシウム、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸マグネシウム、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸一カリウム又は2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸マンガン;2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸アンモニウムが挙げられる。任意の所定の時点で投与されたカリウムの総用量が100Meq以下であり、かつ被験体が高カリウム血症でも高カリウム血症にかかりやすい状態(例えば、腎不全)でもない場合、一般的に2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートの一及び二カリウム塩並びに/又はそれらの類似体が被験体に投与される。]
[0033] 他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、単独で又は本明細書に記載される用量とともに、本明細書に記載の濃度範囲及び/もしくは重量オスモル濃度範囲を用いて又は用いることなく、本明細書に記載の割合及び/又は時間を用いて静脈内投与される。]
[0034] 他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、1日約1回〜5週毎に約1回(1週間又はそれ以下に約1回、2週又はそれ以下毎に約1回、3週又はそれ以下毎に約1回、4週又はそれ以下毎に約1回、5週又はそれ以下毎に約1回、及び合間に任意の1日又は1週間隔を含む)投与される。]
[0035] 一実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、化学療法剤の投与の結果として生じる1又はそれ以上の毒性を低減し、予防し、緩和し、その発病を遅延し、又は減衰するために利用される。このような毒性としては、例えば、神経毒性及び腎毒性が挙げられる。低減は、化学療法剤の投与の結果として生じる少なくとも1つの毒性(典型的には、観察された毒性)の低減、予防、緩和、その発病の遅延、その重症度の減衰、及び/又はその消散速度の促進を含む。]
[0036] 一実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、化学療法剤の治療サイクル間の期間を短縮するために使用される。]
[0037] 他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、化学療法剤の投与量を、好ましくは最大限に有用な量まで増大させるために利用される。]
[0038] 他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、化学療法剤の治療サイクル間の期間を短縮し、かつ投与される化学療法剤の投与量又は投与割合(例えば、mg/日もしくは週、又はmg/分)を安全に増大させるために投与される。]
[0039] 一実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)は、被験体の癌の適切な治療に関する医療指示(medical indication)に基づいて、制限なく、単独の又は複数の組み合わせのいずれかの化学療法剤とともに投与される。]
[0040] いくつかの実施形態において、化学療法剤は、例えば、フルロピリミジン;ピリミジンヌクレオシド;プリンヌクレオシド;葉酸拮抗剤、白金類似体;アントラサイクリン/アントラセンジオン;エピポドフィロトキシン;カンプトテシン;ホルモン、ホルモン類似体;抗ホルモン剤;酵素、タンパク質、ペプチド、もしくはポリクローナル及びモノクローナル抗体;ビンカアルカロイド;タキサン;エポチロン;抗微小管剤;アルキル化剤;代謝拮抗物質;トポイソメラーゼ阻害剤;抗ウイルス薬;又は他の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤である。フルロピリミジンとしては、例えば、5−フルオロウラシル(5−FU)、S−1、カペシタビン、フトラフール、5’デオキシフルロウリジン、UFT、エニルウラシルなどが挙げられる。ピリミジンヌクレオシドとしては、例えば、シタラビン、デオキシシチジン、5−アザシトシン、ゲムシタビン、5−アザシトシン、5−アザデオキシシチジンなどが挙げられる。プリンヌクレオシドといては、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チオグアニン、アロプリノール、クラドリビン及び2−クロロアデノシンが挙げられる。葉酸拮抗剤としては、例えば、メトトレキサート(MTX)、トリメトレキサート、アミノプテリン及びメチレン−10−デアザアミノプテリン(MDAM)が挙げられる。白金類似体としては、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチン、テトラプラチン、白金−DACH、及びそれらの類似体が挙げられる。アントラサイクリン/アントラセンジオンとしては、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシンが挙げられる。エピポドフィロトキシン誘導体としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド及びテニポシドが挙げられる。カンプトテシンとしては、例えば、イリノテカン、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、10,11−メチレンジオキシカンプトテシン、カレニテシン、9−ニトロカンプトテシン及びTAS 103が挙げられる。ホルモン及びホルモン類似体としては、例えば、アナストラゾール、ジエチルスチルベステロール(diethylstilbesterol)、エストラジオール、プレマリン、ラロキシフェンを含むエストロゲン及びエストロゲン類似体;プロゲステロン、ノルエチルドレル、エチステロン(esthisterone)、ジメスチステロン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、及びノルエチステロンを含むプロゲステロン、プロゲステロン類似体及びプロゲスチン;フルオキシメステロン、メチルテストステロン及びテストステロンを含むアンドロゲン;並びにデキサメタゾン(dexamthasone)、プレドニゾン、コルチゾール、ソルメドロールを含む副腎皮質ステロイドなどが挙げられる。抗ホルモン剤としては、例えば、(i)タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェンを含む抗エストロゲン剤;アミノグルテチミド、テストラクトン、ドロロキシフェン、アナストロゾール;(ii)ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、ゴセレリンを含む抗アンドロゲン剤;(iii)フルタミド、ロイプロリド及びトリプトレリンを含む抗テストステロン剤;(iv)アミノグルテチミド及びミトタンを含む副腎ステロイド阻害剤;及びゴセレリンを含む抗黄体形成ホルモンが挙げられる。酵素、タンパク質、ペプチド、ポリクローナル及び/又はモノクローナル抗体としては、例えば、アスパラギナーゼ、セツキシマブ、エルロチニブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、ゲフィチニブ、トラスツズマブ、インターロイキン、インターフェロン、ロイプロリド、peg−アスパラナーゼ(pegasparanase)などが挙げられる。ビンカアルカロイドとしては、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシンなどが挙げられる。タキサンとしては、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、並びにそれらの処方物及び類似体が挙げられる。アルキル化剤としては、例えば、ダカルバジン;プロカルバジン;テモゾラミド;チオテパ;ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、L−フェニルアラニンマスタード、メルファランなど);オキサザホスホリン(例えば、イホスファミド、シクロホスファミド、メホスファミド(mefosphamide)、ペルホスファミド、トロホスファミドなど);アルキルスルホナート(例えば、ブスルファン);及びニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチンなど)が挙げられる。エポチロンとしては、例えば、エポチロンA−Eが挙げられる。代謝拮抗物質としては、例えば、トムデックス及びメトトレキサート、6−メルカプトプリン、並びに6−チオグアニンが挙げられる。トポイソメラーゼ阻害剤としては、例えば、イリノテカン、及びトポテカン、カレニテシン、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド、及びドキソルビシン、ダウノルビシン、並びに他の類似体が挙げられる。抗ウイルス剤としては、例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、アマンタジン、リマンタジン、ラミブジン及びジドブジンが挙げられる。モノクローナル抗体剤としては、例えば、ベバシズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブなど、並びにエルロチニブなどの成長阻害剤などが挙げられる。一般には、細胞増殖抑制剤は、新生物性疾患の進行を遅らせる、機序に基づく薬剤である。]
[0041] 一実施形態において、方法は、さらに、1又はそれ以上の水分補給(hydration)工程を含む。]
[0042] 一実施形態において、方法は、さらに、1又はそれ以上の前投薬(premedication)を含む。]
[0043] 一実施形態において、方法は、さらに、1又はそれ以上の水分補給工程及び1又はそれ以上の前投薬を含む。]
[0044] 一実施形態において、方法は、被験体において1又はそれ以上の癌を治療するために実施される。他の実施形態において、被験体はヒトである。癌は、すべての癌を含み、例えば、卵巣、胸部、肺、食道、膀胱、胃、膵臓、肝臓(胆嚢及び胆管、並びにファーター膨大部(Ampulla of Vater)を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域(結腸癌を含む)、肛門、腎臓、尿路上皮、リンパ腫、中枢神経系、前立腺、子宮内膜、頸部、子宮、卵管、末梢神経系、並びに黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの癌のうちの1又はそれ以上の癌を含む。]
図面の簡単な説明

[0045] 図1は、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート又はプラシーボを(1)30分、(2)30分及び45分、又は(3)45分にわたって注入した患者群の間の過敏性有害事象の数の比較を説明する。投与された化学療法剤はパクリタキセルであった。この図において、n=#は患者の数に等しい。
図2は、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムを30分、30分及び45分、又は45分にわたって注入した患者群の間で、薬物関連(すなわち、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム関連)の少なくとも1つの重篤な有害事象(SAE)を経験する患者の数、及びグレード3又はそれ以上の少なくとも1つの薬物関連有害事象(AE)を経験する患者の数の比較を示している。投与された2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムの薬物濃度は、30分にわたる注入で200mg/mL、30分及び45分にわたる注入でそれぞれ200mg/mL及び100mg/mL、45分にわたる注入で100mg/mLであった。薬物関連有害事象は、グレード1〜グレード5で評価され、その有害事象の重症度(severity)又は強度に関連する(グレード1は軽症(軽度)、グレード2は中等症(中等度)、グレード3は重症(高度)、グレード4は生命を脅かす、及びグレード5は死亡する)。有害事象の十分な定義は、以下に提供される。投与された化学療法剤はパクリタキセルであった。この図において、n=#は患者の数に等しい。
図3は、末梢神経障害質問票(PNQ(コピーライト))を利用して決定される、患者の末梢神経障害の緩和又は予防に関する日本第III相臨床試験についての主要評価項目を、表形式で説明する。この結果は、「間欠性」型(form)の末梢神経障害の存在、並びにこの障害がPNQ(コピーライト)を使用して測定され得るという事実を確認する。
図4は、間欠性及び蓄積性末梢神経障害からなる患者の末梢神経障害を測定するために末梢神経障害質問票(PNQ(コピーライト))及びGEE(一般化推定方程式)統計的手法を利用する利点を支持する日本第III相臨床試験からのデータを説明する。
図5は、プラシーボ群と比較して、日本第III相臨床試験のタボセプト(商標)又はBNP7787群について末梢神経障害の低減を説明し、日本第III相臨床試験のタボセプト(商標)群において深刻な末梢神経障害がより低いレベルであることを示す。] 図1 図2 図3 図4 図5
[0046] (発明の詳細な説明)
定義
「骨格(scaffold)」又は「骨格(skeleton)」は、所定の式で表される分子の不変の構造部を意味する。]
[0047] 「求核剤」とは、原子核に一対の電子を供与して共有結合を形成するイオン又は分子を意味する;電子を受容する原子核は、求電子剤と呼ばれる。これは、有機化合物における炭素共有結合においてはもとより、例えば、Lewisの概念に従う酸及び塩基の形成においても存在する。]
[0048] 「薬学的に許容可能な塩」とは、ヒト投与のために安全であると認められる薬物の塩誘導体を意味する。本発明において、これらの誘導体は、無機塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられるがこれらに限定されない種々の塩を含んでもよい。]
[0049] 「フラグメント」、「部分」、又は「置換基」は分子の可変部であり、式中においてRx、X、又は他の記号などの可変記号によって示される。置換基は、以下の1以上からなるものであってもよい:
「Cx−Cyアルキル」とは、一般に、x個〜y個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素を意味する。例としては、「C1−C6アルキル」(「低級アルキル」とも称される)(全部で6以下の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状炭化水素で構成される)、及びC1−C16アルキル(全部で1〜16個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状炭化水素で構成される)などが挙げられる。本願において、用語「アルキル」は、1〜20個の原子を有する直鎖状又は分岐鎖状炭化水素で構成されると定義され、このアルキルは飽和であってもよいし不飽和であってもよく、また、窒素、硫黄、及び酸素などのヘテロ原子を含んでもよい;
「Cx−Cyアルキレン」とは、「x」個〜「y」個の−CH2−基で形成される橋架け(bridging)部分を意味する。本発明において、用語「アルキレン」は、その両末端の炭素において2つの他の原子に結合される、全部で1〜6個の炭素原子を有する橋架け炭化水素(−CH2−)x(ここで、xは1〜6である)で構成されると定義される;
「Cx−Cyアルケニル又はアルキニル」とは、2つの炭素原子間に少なくとも1つの二重結合(アルケニル)又は三重結合(アルキニル)を有する直鎖状又は分岐鎖状炭化水素を意味する;
「ハロゲン」又は「ハロ」とは、クロロ、フルオロ、ブロモ、又はヨードを意味する;
「アシル」とは、−C(O)−R(ここで、Rは水素、Cx−Cyアルキル、アリール、Cx−Cyアルケニル、Cx−Cyアルキニルなどである)を意味する;
「アシルオキシ」とは、−O−C(O)−R(ここで、Rは水素、Cx−Cyアルキル、アリールなどである)を意味する;
「Cx−Cyシクロアルキル」とは、全部でx個〜y個の炭素原子を有する環(単数又は複数)を有する縮合しているか又は縮合していない1以上の環からなる炭化水素環又は環系を意味し、ここで少なくとも1つの環結合は完全に飽和している;
「アリール」とは、一般に、環原子が全て炭素原子からなる縮合しているか又は縮合していない1以上の環、好ましくは1〜3個の環からなる芳香環又は環系を意味する。本発明において、用語「アリール」は、全部で5〜8個の炭素原子からなる環成分を有する縮合しているか又は縮合していない芳香環系(好ましくは全部で1〜3個の環)で構成されると定義される;
「アミン」とは、アンモニア(NH3)から1以上の水素原子がアルキル基で置換されることによって得られると考えられ得る窒素の有機錯体の一種を意味する。アミンは、1つ、2つ、又は3つの水素原子が置換されているかどうかに応じて、第一級、第二級、又は第三級である。「短鎖アミン」とは、アルキル基が1〜10個の炭素原子を含むものである;
「アジド」とは、特性式R(N3)xを有する任意の群の錯体を意味する。Rは、ほぼ任意の金属原子、水素原子、ハロゲン原子、アンモニウム基、錯体[CO(NH3)6]、[Hg(CN)2M](M=Cu、Zn、Co、Ni)、メチル、フェニル、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、p−ニトロベンジル、硝酸エチルなどの有機基であってもよい。アジド基は、環構造よりもむしろ鎖構造を有する;
「複素環」とは、縮合されているか又は縮合されていない1以上の環(好ましくは1〜3個の環)の環状部分であって、1つの環の少なくとも1つの原子が炭素原子ではないものを意味する。好ましいヘテロ原子としては、酸素、窒素、及び硫黄、又はこれらの原子の2以上の組み合わせが挙げられる。用語「複素環」としては、フラニル、ピラニル、チオニル、ピロリル、ピロリジニル、プロリニル、ピリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサチアゾリル、ジチオリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、オキサジニル、チアゾリルなどが挙げられる。]
[0050] 「イミン」とは、炭素−窒素二重結合を有する窒素含有錯体の一種(すなわち、R−CH=NH)を意味する。]
[0051] 「重量オスモル濃度(Osmolarity)」は、溶媒1キログラムあたりの溶質のオスモル数の単位である。重量オスモル濃度を計算するために、塩は、その成分イオンに解離すると仮定する。例えば、溶液中の1モルのグルコースは1浸透圧モル(osmole)であるが、溶液中の1モルの塩化ナトリウムは2浸透圧モル(1モルのナトリウム及び1モルのクロリド)である。ナトリウムイオン及びクロリドイオン(塩化物イオン)は両方とも、溶液の浸透圧に影響を及ぼす。溶液の重量オスモル濃度を決定するための等式は、Osm=ΦnCによって与えられる。式中、Φは浸透係数であり、溶質の解離の程度を説明し;Φは0〜1の間であり、ここで、1は100%解離を示し;nは分子の解離によって形成される粒子の数(例えば、グルコースでは1に等しく、NaClでは2に等しい)であり;Cは溶液の重量モル濃度である。]
[0052] 「置換(された)」とは、あるフラグメント(部分)を、任意の、いくつかの又は全ての水素原子を本明細書中に示されるような部分(または複数の部分)で置換することによって修飾することをいう。水素原子を置換して置換錯体を形成するための置換基としては、ハロ、アルキル、ニトロ、アミノ(N−置換、及びN,Nジ置換アミノも含む)、スルホニル、ヒドロキシ、アルコキシ、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンゾキシ、ベンゾイル、及びトリフルオロメチルが挙げられる。]
[0053] 本明細書において使用されるように、「化学療法剤(chemotherapeutic agent)」又は「化学的治療剤(chemotherapy agent)」又は「抗新生物剤」とは、転移又は新生物(又は腫瘍)の成長を低減、予防、緩和、制限及び/もしくは遅延するか又は新生物のネクローシスもしくはアポトーシス又は任意の他の機構(機序)によって直接的に新生細胞を殺傷するか、あるいは、薬学的に有効な量において、新生物性疾患を有する被験体の転移又は新生物(又は腫瘍)の成長を低減、予防、緩和、制限及び/又は遅延するために使用できる薬剤をいう。化学療法剤としては、例えば、フルロピリミジン;ピリミジンヌクレオシド;プリンヌクレオシド;抗葉酸剤、白金錯体;アントラサイクリン/アントラセンジオン;エピポドフィロトキシン;カンプトテシン;ホルモン;ホルモン錯体;抗ホルモン剤;酵素、タンパク質及び抗体;ビンカアルカロイド;タキサン;抗微小管剤(antimirotubule agents);アルキル化剤;代謝拮抗物質;トポイソメラーゼ阻害剤;抗ウイルス剤;並びに種々の細胞毒性及び細胞増殖抑制剤が挙げられる。「化学療法」とは、化学療法剤、化学的治療剤又は抗新生物剤を用いる治療をいう。]
[0054] 本明細書において用いられるように、本発明の化合物又は組成物に関して「有効な量」又は「薬学的に有効な量」とは、新生物性疾患を有する被験体において所望の生物学的、薬理学的又は治療的成果を誘導するのに十分な量をいう。その成果は、予期されるか又は観察される有害事象、毒性、障害もしくは状態の根本的な病態生理学又は病因の低減、予防、緩和、遅延、それを消散するための時間の短縮、その徴候もしくは症状の緩和、又はそれに対する医学的に有益な効果の発揮、あるいは任意の他の所望される生体系の変更であってもよい。本発明において、結果としては、一般に、化学療法に関連する毒性の低減、予防、緩和、その発病の遅延、その重症度の減衰、及び/又はその消散の促進、又はその逆転;治療の頻度及び/又は回数の増大;並びに/あるいは化学療法治療の期間の増大が挙げられるであろう。]
[0055] 本明細書において用いられるように、用語「白金薬剤」又は「白金化合物」は、分子の構造に白金リガンドを含むすべての化合物、組成物及び処方物を含む。限定されない例として、これらに含まれる白金リガンドの価数は、白金(II)又は白金(IV)であってもよい。本発明の白金薬剤又は白金化合物としては、限定されない様式において、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン、並びにそれらの類似体及び誘導体が挙げられる。]
[0056] 本明細書において用いられるように、用語「タキサン薬剤」としては、限定されない様式において、ドセタキセル又はパクリタキセル(市販のパクリタキセル誘導体であるタキソール(Taxol)(商標)及びアブラキサン(Abraxane)(商標)を含む)、ポリグルタミン酸型パクリタキセル(例えば、ジオタックス(Xyotax)(商標))、リポソーマルパクリタキセル(例えば、トコソル(Tocosol)(商標))並びにそれらの類似体及び誘導体が挙げられる。]
[0057] 本明細書において用いられるように、本発明の化合物又は組成物に関して用語「医学的に十分な投与量」とは、必要とする被験体において所望の生物学的、薬理学的又は治療的成果を誘導するのに十分な投与量をいう。]
[0058] 本明細書において使用されるように、腺癌とは、腺組織から発する癌をいう。腺組織は、ホルモンなどの放出のための物質を合成する組織で構成される。腺は、2つの一般的な群に分類することができる:(i)内分泌腺−管を介してよりもむしろ表面上へ、しばしば血流中へ、直接それらの産物を分泌する腺及び(ii)外分泌腺−管を介して、しばしば体内又はその外面の腔へ、それらの産物を分泌する腺。しかし、腺癌として分類されるために、組織又は細胞は、分泌性を有する限り、必ずしも腺の一部である必要はないことに留意されるべきである。腺癌は、胸部、結腸、肺、前立腺、唾液腺、胃、肝臓、胆嚢、膵臓(膵臓癌の99%は管の腺癌である)、頸部、膣及び子宮が挙げられるがこれらに限定されない種々の組織並びに未知の原発性腺癌に由来し得る。腺癌は、腫瘍が生じた腺組織の場所及びその型から区別することがしばしば著しく困難である新生物である。したがって、肺において同定された腺癌は、卵巣腺癌にその起源を有し得る(又は卵巣腺癌から転移され得る)。原発部位が見出せない癌は、未知原発性癌(cancer of unknown primary)と呼ばれる。]
[0059] 本明細書において使用されるように、用語「非小細胞肺癌(NSCLC)」は、すべての原発性肺癌の約75%を占める。NSCLCは、病理学的に、さらに腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌及び種々の他のまれな型に特徴付けられる。臨床的に、喫煙者及び非喫煙者において観察され得るNSCLCにおいて、重要な差異が存在する。]
[0060] 本明細書において用いられるように、用語「低減(する)(reducing)」又は「低減する(reduces)」としては、被験体が、毒性、有害な経験及び/又は有害な影響の形態で、任意の薬物関連又は化学療法関連有害事象を伴うにつれ、被験体における化学療法に関連する有害事象、症状、徴候又は状態の低減、予防、緩和、その発病の遅延、その重症度の減衰、及び/又はその消散の促進が挙げられ、被験体の全部もしくは一部における有害な症状、徴候もしくは状態のより深刻な形態の発病、又はその発生の予防、あるいは被験体におけるこのような有害な形態の症状、徴候もしくは状態の改善又は制御を含む。]
[0061] 本明細書において用いられるように、用語「有害事象(Adverse Event)」、「有害な影響(Adverse Effect)」又は「有害な経験(Adverse Experience)」としては、患者によって報告される発現又は状態(例えば、悪心(又は吐き気)(nausea)、悪寒、抑うつ、しびれ、刺痛、食欲不振、味覚不全(dysguesia)など)が挙げられる。「有害な徴候(adverse sign)」とは、患者における身体的に観察可能な状態、有害事象(例えば、触知可能な紫斑、斑状丘疹状皮疹、クモ状血管腫、クヴォステク(Chvostek)徴候、バビンスキー(Babinski)徴候、トルソー(Trousseau)徴候、弓なり緊張など)の発現である客観的所見を意味する。]
[0062] 用語「有害事象」(影響又は経験)、有害反応、及び予期せぬ有害反応についての定義は、WHO国際医薬品モニタリングセンター(ウプサラ、スウェーデン)の30を越える協力センターの総意によって以前に同意されている。エドワーズ,I.R.(Edwards, I.R.)ら、医薬品の薬物安全性の調和化(Harmonisation in Pharmacovigilance Drug Safety) 10(2):93−102(1994)を参照のこと。WHO協力センターからの情報提供に対して、以下の定義が同意されている:
1.有害事象(有害な影響又は有害な経験)−医薬品を投与された患者又は臨床研究被験体におけるあらゆる不都合な医学的発生であり、この治療との因果関係を有する必要はない。したがって、有害事象(AE)は、医薬品の使用と時間的に関連する、あらゆる好ましくなくかつ意図しない徴候(例えば、検査所見異常を含む)、症状又は疾患であってもよく、医薬品に関連すると考えられるか否かを問わない。]
[0063] 2.有害薬物反応(ADR)−特に、治療用量が確立されていないかもしれないので、新たな医薬品又はその新たな使用法を用いる承認前の臨床経験において、いかなる用量に関連して起こる医薬品に対するすべての有害でかつ意図しない反応は、有害薬物反応であるとみなされるべきである。薬物関連有害事象は、グレード1〜グレード5で評価され、その事象の重症度(severity)又は強度に関連する。グレード1は軽症(軽度)、グレード2は中等症(中等度)、グレード3は重症(高度)、グレード4は生命を脅かす、及びグレード5は被験体が死亡する。]
[0064] 3.予期せぬ有害薬物反応−性質又は重症度が、適用可能な製品情報と一致しない有害反応。]
[0065] 重篤な有害事象又は有害薬物反応:重篤な有害事象(経験又は反応)は、いかなる用量が:
(1)死亡又は生命を脅かすもの。「重篤」の定義における用語「生命を脅かす」は、その事象の時に患者が死の危険性があった事象をいい;たとえより深刻であったとしても、仮定で死に至るかもしれない事象はいわないことに留意されるべきである。
(2)入院又は入院期間の延長を要するもの
(3)永続的又は重大な障害(disability)/機能不全(incapacity)に陥るもの、又は
(4)先天異常を来すもの
である、いかなる不都合な医学的発生である。]
[0066] 本明細書において用いられるように、化合物の「類似体」とは、親化合物と実質的な構造的(例えば、骨格(scaffold)又は骨格(skeleton))及び/又は機能的特徴を共有する分子をいう。例えば、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートの類似体としては、特に断らない限り、式(I)の化合物;そのプロドラッグ;これらの化合物及び/又はプロドラッグの薬学的に許容可能な塩;並びにこれらの化合物、塩及び/又はプロドラッグの結合体(抱合体)(conjugates)、水和物又は溶媒和物;並びにこれらの化合物、塩及び/又はプロドラッグの立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体が挙げられる。]
[0067] 本明細書において用いられるように、化合物の「溶媒和物」とは、溶質(前記化合物)と溶媒との分子錯体をいう。例えば、本発明の溶媒和物は、式(I)の化合物によって表される分子錯体を含んでもよく、このような分子錯体としては、例えば、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート類似体、結合体(抱合体)、水和物、プロドラッグ、多形体、並びにこれらの立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体、並びにこれらの薬学的に許容可能な塩と、1又はそれ以上の溶媒分子との分子錯体が挙げられる。このような溶媒分子は、薬学分野において一般的に使用されるものである(例えば、水、エタノールなど)。用語「水和物」は、溶媒分子が水である分子錯体をいう。]
[0068] 本明細書において用いられるように、用語「式(I)の化合物」又は「式(I)の組成物(コンポジション(compositionj))」は、特に断らない限り、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート親化合物と実質的な構造的及び/又は機能的特徴を共有するすべての分子を含み、一般構造式:
X−S−S−R1−R2
[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、低級アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオで構成される群の一種で置換されていてもよい)又は]
[0069] ]
[0070] であり;
R2及びR4は、スルホナート又はホスホナートであり;
R5は、水素、ヒドロキシ又はスルフヒドリルであり;
mは、0、1、2、3、4、5又は6であり;及び
Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸で構成されるペプチドであるか;又は
Xは、対応する水素原子の代わりに低級チオアルキル(低級メルカプトアルキル)、低級アルキルスルホナート、低級アルキルホスホナート、低級アルキルスルホナート、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシで構成される群の一種である]
を有する化合物を指す式(I)の化合物を含む。]
[0071] 式(I)の化合物は、その薬学的に許容可能な塩、並びにそれらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び多形体並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体を含む。限定されない様式において、具体的には、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム(文献においてジメスナ、BNP7787及びタボセプト(Tavocept)(商標)としても公知である)が、用語「式(I)の化合物」又は「式(I)の組成物」に含まれる。また、限定されない様式において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムの重要な代謝産物である2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(文献においてメスナとしても公知である)も、用語「式(I)の化合物」又は「式(I)の組成物」に含まれる。種々の式(I)の化合物及びそれらの合成は、例えば、公開された米国特許出願第2005/0256055号に記載されており、この文献の開示は、言及することによりその全体が本明細書において組み入れられる。]
[0072] 本明細書において用いられるように、用語「前治療(pre-treatment)」は、1又はそれ以上の薬物の投与を含み、この投与は種々の時期に行う。このような時期としては、化学療法の少なくとも1日前、各化学療法治療の前、各化学療法治療の直前、化学療法治療とともにもしくは化学療法治療の間に同時、化学療法の直後、化学療法の後、並びに/又は当該技術分野において公知の方法にしたがう時期、及び患者の病状に基づく時期が挙げられる。]
[0073] 本明細書において用いられるように、用語「細胞増殖抑制剤」は、新生物性疾患の進行を遅らせる、機序に基づく薬剤である。]
[0074] 本明細書において用いられるように、用語「細胞毒性剤(細胞毒性薬剤)」は、新生細胞を殺傷する任意の薬剤又はプロセスである。]
[0075] 本明細書において用いられるように、「治療スケジュール時間」は、(i)1週あたりに投与される薬物の量;(ii)1週あたり体表面積1m2あたりに投与される薬物の量;及び(iii)1週あたり体重1kgあたりに投与される薬物の量を含む、投与時間のスケジュールにおける差違を意味する。]
[0076] 本明細書中に記載される説明及び実施形態は、本発明を完全に網羅することを意図するものではなく、開示された厳密な形式(形態)に本発明を限定することを意図するものでもない。本明細書中に記載される説明及び実施形態は、本発明の原理並びに当業者によるその応用及び実用的な用途を説明するために包含される。]
[0077] 2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートは、以前に、化学療法剤の効用を増強するのに有用であることが明らかとなっている。公開された米国特許出願第2003/0203960号、公開された米国特許出願第2003/0133994号、米国特許第5,902,610号及び米国特許第5,789,000号を参照のこと。]
[0078] 2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又は類似体などの薬剤を投与する新たな方法は、現在、1:1無作為化での無作為二重盲検プラシーボ対照研究を含むヒト臨床試験と関連して明らかにされている。最初の盲検研究の結果は、少なくとも同じ治療指数(例えば、投与の期間及び頻度を含む規定された特定のタイムスケジュールにおいて投与された用量レベル)並びに化学療法剤の投与に関連する毒性の低減、予防、緩和及び/又は遅延を維持しながら、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートなどの化合物が、著しく、全体的な安全性を増強でき、全体的な有害事象を減少でき、過敏性に基づく有害事象を減少でき、及び有害事象の発病までの時間を増大できることを支持する。]
[0079] 臨床試験の結果は、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はそれらの類似体などの化合物の約45分にわたる約100mg/mLの濃度での投与を支持しており、以前に開示された投与方法に対して、過敏性有害事象の頻度及び重症度の実質的な減少が観察された。例えば、図1に示されるように、少なくとも1つの過敏性有害事象を有する患者の割合は、約42%から約30%に低下した。これらの結果は、1:1無作為化での二重盲検(double-blind)プラシーボ対照研究(placebo-controlled study)に基づいており、パクリタキセルで治療された全患者群のみならず、プラシーボを受けた患者を含む。パクリタキセルは、アナフィラキシーを含む過敏性反応及びより深刻な形態のアレルギー反応をもたらすことが知られている。パクリタキセル単独について全体的な予期される値は約40〜45%の過敏性反応である;しかし、過敏性反応を経験する患者の全割合において約12%の低減(すなわち、約42%から約30%)が観察されたことが注目される。過敏性反応を経験する患者の割合におけるこの低減は、全体的に、このような有害反応における医学的に重要な差異を表す。このことは、観察された潜在的に重篤でかつ生命を脅かす有害事象の危険度が、研究母集団全体(すなわち、プラシーボ母集団及び2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート母集団の両方)において約29%低減することを表す。プラシーボにより誘導される付加的な又は予期された効果は、報告された過敏性有害事象に影響を及ぼさないので、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート治療母集団でのこのような過敏性有害事象は約57%まで低減し得る(例えば、本発明が関係する新規な投与方法を実行の前には全体で約42%が観察され、次いで、この実行後には約30%の発生率が観察された)。前述の計算において、約42%は、パクリタキセルと、合計30分にわたって200mg/mLでプラシーボ又は2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートのいずれか(すなわち、1:1又は各々約50%)とを受けた治療母集団全体において観察又は報告された過敏性有害事象の発生率を表し;一方、約30%は、パクリタキセルと、合計45分にわたって100mg/mLでプラシーボ又は2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートのいずれか(すなわち、1:1又は各々約50%)とを受けた治療母集団全体において観察及び報告された過敏性有害事象の発生率を表す。] 図1
[0080] 図1において見出される結果と同様の結果が図2において示され、約30分にわたる約200mg/mLの濃度での投与と比較した場合、約45分にわたって約100mg/mLの濃度での2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムの投与は、薬物に関連する(すなわち、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムに関連する)重篤な有害事象の頻度が、実質的に減少したことが観察された。100mg/mLの濃度での化合物の45分の投与によって、母集団での薬物に関連する少なくとも1つの重篤な有害事象(SAE)を経験する患者が、約7.6%から約5.4%に低下し、全体として約29%低減した。また、グレード3又はそれ以上の少なくとも1つの薬物関連有害事象を経験する患者の割合は、16.4%(30分、200mg/mL)から8.6%(45分、100mg/mL)に減少し、全体として約47%低減した。] 図1 図2
[0081] 本発明は、方法、処方物及び装置を含む。方法、処方物及び装置は、化学療法剤を受ける被験体における毒性の低減、予防、緩和、その発病の遅延、その重症度の減衰、及び/又はその消散の促進のために使用され得、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体(式(I)の化合物を含む)を被験体に投与することを含む。]
[0082] 本発明は、さらに、任意に装置を用いるか又は装置内での、方法の使用及び本明細書に記載される組成物及び処方物の被験体への投与を含み、ここで、この投与は、任意の経路、用量、濃度、期間又はスケジュールによって、本明細書に記載される任意の1又はそれ以上の毒性に関連する任意の化学療法剤又は薬学的に活性な化合物(単数又は複数)の投与の前に、前記投与とともにもしくは同時に又は前記投与の後に、前記被験体において医学的に指示されるように行われる。]
[0083] 種々の化学療法剤は、本明細書に記載されかつ特許請求される方法とともに、又はその一部として使用され得る。化学療法剤としては、例えば、フルロピリミジン;ピリミジンヌクレオシド;プリンヌクレオシド;葉酸拮抗剤、白金類似体;アントラサイクリン/アントラセンジオン;エピポドフィロトキシン;カンプトテシン;ホルモン;ホルモン類似体;抗ホルモン剤;酵素、タンパク質、ペプチド又はポリクローナルもしくはモノクローナル抗体;ビンカアルカロイド;タキサン;エポチロン;抗微小管剤;アルキル化剤;代謝拮抗物質;トポイソメラーゼ阻害剤;抗ウイルス薬;あるいは別の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤が挙げられる。]
[0084] フルロピリミジンとしては、例えば、5−フルオロウラシル(5−FU)、S−1、カペシタビン、フトラフール、5’デオキシフルロウリジン、UFT、エニルウラシルなどが挙げられる。]
[0085] ピリミジンヌクレオシドとしては、例えば、シタラビン、デオキシシチジン、5−アザシトシン、ゲムシタビン、5−アザデオキシシチジンなどが挙げられる。]
[0086] プリンヌクレオシドとしては、例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チオグアニン、アロプリノール、クラドリビン、2−クロロアデノシンなどが挙げられる。]
[0087] 葉酸拮抗剤としては、例えば、メトトレキサート(MTX)、トリメトレキサート、アミノプテリン、メチレン−10−デアザアミノプテリン(MDAM)などが挙げられる。]
[0088] 白金類似体としては、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサプラチン、ピコプラチン、テトラプラチン、サトラプラチン、白金−DACH、オルマプラチン、CI−973、JM−216、及びそれらの類似体が挙げられる。]
[0089] アントラサイクリン/アントラセンジオンとしては、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンなどが挙げられる。]
[0090] エピポドフィロトキシン誘導体としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシドなどが挙げられる。]
[0091] カンプトテシンとしては、例えば、イリノテカン、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、10,11−メチレンジオキシカンプトテシン、カレニテシン、9−ニトロカンプトテシン、TAS 103などが挙げられる。]
[0092] ホルモン及びホルモン類似体としては、例えば、アナストラゾール、ジエチルスチルベステロール(diethylstilbesterol)、エストラジオール、プレマリン、ラロキシフェンを含むエストロゲン及びエストロゲン類似体;プロゲステロン、ノルエチルドレル、エチステロン(esthisterone)、ジメスチステロン、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン及びノルエチステロンを含むプロゲステロン、プロゲステロン類似体及びプロゲスチン;フルオキシメステロン、メチルテストステロン及びテストステロンを含むアンドロゲン;デキサメタゾン(dexamthasone)、プレドニゾン、コルチゾール、ソルメドロールを含む副腎皮質ステロイドなどが挙げられる。]
[0093] 抗ホルモン剤としては、例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、アミノグルテチミド、テストラクトン、ドロロキシフェン、アナストロゾール);抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、ゴセレリン);抗テストステロン剤(例えば、フルタミド、ロイプロリド、トリプトレリン);副腎ステロイド阻害剤(例えば、アミノグルテチミド及びミトタン);及び抗黄体形成ホルモン(例えば、ゴセレリン)が挙げられる。]
[0094] 酵素、タンパク質、ペプチド、ポリクローナル及び/又はモノクローナル抗体としては、例えば、アスパラギナーゼ、セツキシマブ、エルロチニブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、インターロイキン、インターフェロン、ロイプロリド、peg−アスパラナーゼ(pegasparanase)などが挙げられる。]
[0095] ビンカアルカロイドとしては、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシンなどが挙げられる。]
[0096] タキサンとしては、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、並びにそれらの種々の処方物及び類似体が挙げられる。]
[0097] アルキル化剤としては、例えば、ダカルバジン;プロカルバジン;テモゾラミド;チオテパ、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、L−フェニルアラニンマスタード、メルファランなど);オキサザホスホリン(例えば、イホスファミド、シクロホスファミド、メホスファミド(mefosphamide)、ペルホスファミド、トロホスファミドなど);アルキルスルホナート(例えば、ブスルファン);及びニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、チオテパ、セムスチンなど)が挙げられる。]
[0098] エポチロンとしては、例えば、エポチロンA−Eなどが挙げられる。]
[0099] 代謝拮抗物質としては、例えば、トムデックス、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニンなどが挙げられる。]
[0100] トポイソメラーゼ阻害剤としては、例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、カレニテシン、及び種々の他の類似体が挙げられる。]
[0101] 抗ウイルス剤としては、例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、アマンタジン、リマンタジン、ラミブジン、ジドブジンなどが挙げられる。]
[0102] モノクローナル抗体などの細胞増殖抑制剤としては、例えば、ベバシズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブなどが挙げられる。]
[0103] 式(I)とは、以下の化合物をいう:
X−S−S−R1−R2:
[式中
R1は、低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオを含む群の一種で置換されていてもよい)であり;
R2はスルホナート又はホスホナートであり;
Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシを含む群の一種で置換されていてもよい)]。式(I)の化合物は、その薬学的に許容可能な塩、並びにそれらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体を含む。式(I)の化合物及びそれらの合成は、公開された米国特許出願第2005/0256055号に記載されており、この文献の開示は、言及することによりその全体が本明細書において組み入れられる。]
[0104] 一実施形態において、有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体としては、例えば、約0.01g/m2〜約100g/m2の範囲が挙げられる。さらなる有効な用量としては、例えば、約0.1g/m2〜約90g/m2;約1.0g/m2〜約80g/m2;約4.0g/m2〜約70g/m2;約5.0g/m2〜約60g/m2;約10g/m2〜約50g/m2;約15g/m2〜約25g/m2;約4g/m2、約8g/m2;約12g/m2;約18g/m2;約28g/m2;約35g/m2;及び約41g/m2が挙げられる。これらの範囲内の他の量を使用してもよい。]
[0105] 一つの好ましい実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体は、約100mg/mLの濃度で投与される。他の好ましい実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体は、約45分にわたって注入される。さらに他の好ましい実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体は、約45分にわたって約100mg/mLの濃度で投与される。]
[0106] 他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体は、例えば、約0.1g/分〜約4.6g/分の注入割合で投与され得る。さらなる注入割合としては、例えば、約0.2g/分〜約2.0g/分;約0.2g/分〜約4.0g/分;約0.25g/分〜約3.0g/分、約0.3g/分〜約2.5g/分;約0.35g/分〜約2.0g/分;約0.4g/分〜約1.5g/分;約0.45g/分〜約1.4g/分;約0.5g/分〜約1.3g/分;約0.55g/分〜約1.3g/分;約0.6g/分〜約1.2g/分;約0.55g/分〜約1.2g/分;約0.6g/分〜約1.1g/分;約0.65g/分〜約1.0g/分が挙げられる。これらの範囲内の他の量を使用してもよい。注入割合は、体重あたりの所望の用量、被験体の体表面積(BSA)及び注入時間に基づいて、当業者によって計算され得る。例えば、BSA1.7m2の患者において、45分にわたって約18.4g/m2の用量が注入されるとき、注入割合は約0.7g/分である。]
[0107] 他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体は、例えば、約1.0mg/mL/分〜約50mg/mL/分で投与される。さらなる用量としては、例えば、約2.0mg/mL/分〜約20mg/mL/分;約1.5mg/mL/分〜約40mg/mL/分;約2.0mg/mL/分〜約35mg/mL/分;約2.5mg/mL/分〜約30mg/mL/分;約3.0mg/mL/分〜約25mg/mL/分;約3.5mg/mL/分〜約20mg/mL/分;約4.0mg/mL/分〜約15mg/mL/分;約4.5mg/mL/分;約5.0mg/mL/分;約5.5mg/mL/分;約6.0mg/mL/分;約6.5mg/mL/分;約7.0mg/mL/分;約7.5mg/mL/分;約8.0mg/mL/分;約8.5mg/mL/分;約9.0mg/mL/分;約9.5mg/mL/分;約10mg/mL/分;約11mg/mL/分;約12mg/mL/分;約13mg/mL/分;及び約14mg/mL/分が挙げられる。これらの範囲に近い他の量を利用してもよい。mg/mL/分の投与スケジュールは、体重あたりの所望の用量、被験体のBSA、注入時間及び所望の濃度に基づいて、当業者によって計算され得る。例えば、BSA約1.7m2の患者において、45分にわたって100mg/mLの濃度で約18.4g/m2の用量が注入されるとき、約7mg/mL/分である。]
[0108] 好ましい実施形態において、投与の方法は、患者の血漿又は血清重量オスモル濃度に対して高浸透圧である組成物において2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体を投与することを含む。一実施形態において、例えば、化合物は、被験体の正常血漿又は血清重量オスモル濃度の約0.1〜約5倍の重量オスモル濃度を有する組成物において投与される。他の実施形態において、化合物は、被験体の正常血漿又は血清重量オスモル濃度の約2〜約4倍の重量オスモル濃度を有する組成物において投与される。さらに別の実施形態において、化合物は、被験体の正常血漿又は血清重量オスモル濃度の約1倍;約2倍;約3倍;約4倍;又は約5倍の重量オスモル濃度を有する組成物において投与される。ヒト血漿重量オスモル濃度の正常範囲は、約280mOsm〜約320mOsmの範囲である。]
[0109] 理論に束縛されることを望むことなく、高浸透圧の組成物は、浸透圧によって媒介される自由水クリアランスの増大によって、体内の水の腎クリアランスの増大を誘導することにより保護的腎作用(protective renal effect)を容易にし、それにより、時間単位あたりの尿量の割合、容量及び/又は頻度(すなわち、利尿)を高めると考えられている。さらに、この高浸透圧の効果は、例えば、腎細胞による薬剤の取り込み又は半透膜を介する溶質の拡散(すなわち、ル・シャトリエの拡散原理)に類似するプロセスによって媒介される腎尿細管腔における水の浸透拡散のいずれかによって、化学的保護剤(例えば、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体)の細胞への進入、逆にいえば、細胞内区画から腎尿細管腔及び集合管への自由水の放出を容易にすると考えられている。2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体はまた、エネルギー依存性の輸送機構によって腎尿細管上皮により取り込まれ、それにより、その有益な生物学的、薬学的及び医薬的効果を局所的に発揮し得る。]
[0110] 2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートは、公知の化合物であり、当該技術分野において公知の方法によって製造できる。例えば、J. Org. Chem. 26:1330-1331(1961);J. Org. Chem. 59:8239(1994)を参照のこと。さらに、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート及び他のジチオエーテルはまた、米国特許第5,808,160号、米国特許第6,160,167号及び米国特許第6,504,049号において概説されるように合成され得る。式(I)の化合物は、米国特許出願第2005/0256055号に記載されるように製造され得る。]
[0111] 本発明の他の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート及び/又はその類似体は、薬学的に許容可能な二ナトリウム塩である。別の実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート及び/又はその類似体は、薬学的に許容可能な塩であり、このような塩としては、例えば:(i)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸一ナトリウム;(ii)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸ナトリウムカリウム;(iii)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二カリウム;(iv)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸カルシウム;(v)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸マグネシウム;(vi)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸マンガン;(vii)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸アンモニウム;及び (viii)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸一カリウムが挙げられる。任意の所定の時点で投与されたカリウムの総用量が100Meq以下であり、かつ被験体が高カリウム血症でも高カリウム血症にかかりやすい状態(例えば、腎不全)でもない場合、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートの一及び二カリウム塩並びに/又はその類似体が被験体に投与される。]
[0112] 一実施形態において、投与の方法は、さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する工程を含む。2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体の投与は、1又はそれ以上の化学療法剤の投与の前、その投与の直前、その投与の間、その投与の直後、又はその投与の後であってもよい。]
[0113] 化学療法剤は、当該技術分野において公知の方法を用いて調製され及び被験体に投与され得る。例えば、パクリタキセルは、米国特許第5,641,803号、同第6,506,405号及び同第6,753,006号に記載の方法を用いて調製され得、そして当該技術分野において公知のように投与される(例えば、米国特許第5,641,803号、同第6,506,405号及び同第6,753,006号を参照のこと)。パクリタキセルは、約50mg/m2〜約275mg/m2の範囲の用量での投与のために調製され得る。好ましい用量としては、約80mg/m2、約135mg/m2及び約175mg/m2が挙げられる。]
[0114] ドセタキセルは、米国特許第4,814,470号に記載の方法を用いて調製され得、そして当該技術分野において公知のように投与される(例えば、米国特許第4,814,470号、同第5,438,072号、同第5,698,582号及び同第5,714,512号を参照のこと)。ドセタキセルは、約30mg/m2〜約100mg/m2の範囲の用量での投与のために調製され得る。好ましい用量としては、約55mg/m2、約60mg/m2、約75mg/m2及び約100mg/m2が挙げられる。]
[0115] シスプラチンは、米国特許第4,302,446号、同第4,322,391号、同第4,310,515号及び同第4,915,956号に記載の方法を用いて調製され得、そして当該技術分野において公知のように投与される(例えば、米国特許第4,177,263号、同第4,310,515号、同第4,451,447号を参照のこと)。シスプラチンは、単回投与において約30mg/m2〜約120mg/m2の範囲の用量又は5日間毎日15mg/m2〜約20mg/m2の範囲の用量での投与のために調製され得る。好ましい用量としては、約50mg/m2、約75mg/m2及び約100mg/m2が挙げられる。]
[0116] カルボプラチンは、米国特許第4,657,927号に記載の方法を用いて調製され得、そして当該技術分野において公知のように投与される(例えば、米国特許第4,657,927号を参照のこと)。カルボプラチンは、約20mg/kg〜約200mg/kgの範囲の用量での投与のために調製され得る。好ましい用量としては、約300mg/m2及び約360mg/m2が挙げられる。他の用量は、製造業者の説明書に従う式を用いて計算され得る。]
[0117] オキサリプラチンは、米国特許第5,290,961号、同第5,420,319号、同第5,338,874号に記載の方法を用いて調製され得、そして当該技術分野において公知のように投与される(例えば、米国特許第5,716,988号を参照のこと)。オキサリプラチンは、約50mg/m2〜約200mg/m2の範囲の用量で投与のために調製され得る。好ましい用量としては、85mg/m2及び約130mg/m2が挙げられる。]
[0118] 他の実施形態において、方法は、1又はそれ以上のさらなる水分補給工程を含む。水分補給は、被験体への医療を容易にするために、必要とする被験体への種々の液体の投与を含む。このような水分補給は、例えば、体内の液体レベルを元に戻すか又は増大させるために役立ち得る。例えば、食塩水による水分補給としては、約1時間〜約2時間にわたって投与される約250mL〜約1000mLの0.9%食塩水溶液の投与が挙げられる。水分補給の他の形態としては、非経口投与用に市販されている高張(例えば、3%塩化ナトリウム)又は低張(例えば、0.45M塩化ナトリウム又はデキストロース5%水又は乳酸リンゲル液)溶液が挙げられ、このような水分補給の他の形態は、患者の病状によって規定されるように、食塩水による水分補給の代わりに、食塩水による水分補給と組み合わせて、又は食塩水による水分補給に加えて使用されてもよい。]
[0119] 他の実施形態において、方法は、1又はそれ以上の療法前薬剤(pre-therapy medication)を投与するさらなる工程を含む。前投薬としては、例えば、抗ヒスタミン薬、ステロイド、制吐薬(antimetic)及び5−HT3アンタゴニストが挙げられる。抗ヒスタミン薬としては、例えば、ジフェンヒドラミン、クレマスチン、シメチジン、ラニチジン及びファモチジンが挙げられる。ステロイドとしては、例えば、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン及びプレドニゾンを含むコルチコステロイドが挙げられる。制吐薬としては、例えば、プロクロロペラジン、メトクロプラミド及びジメンヒドリナートが挙げられる。5−HT3アンタゴニストとしては、例えば、オンダンセトロン、ドラセトロン及びグラニセトロンが挙げられる。他の療法前薬剤としては、例えば、ジアゼパム同種、ガバペンチン及びアミトリプチリンが挙げられる。前療法(pre-therapy)は、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法治療の前に、各化学療法治療の直前に、化学療法治療とともにもしくは化学療法治療の間に同時に、化学療法の直後に、化学療法の後に、並びに/又は当該技術分野において公知の方法にしたがって、及び患者の病状に基づいて投与されてもよい。]
[0120] 一実施形態において、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体は、1又はそれ以上の癌の治療を必要とする被験体に投与される。被験体は、ヒトであってもよい。癌(単数又は複数)は、ヒト癌であってもよく、このような癌としては、例えば、卵巣、胸部、肺、食道、膀胱、胃、膵臓、肝臓(例えば、胆管、胆嚢及びファーター膨大部)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、尿路上皮、リンパ腫、中枢神経系、前立腺、子宮内膜、頸部、子宮、卵管、末梢神経系、並びに黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫を含む種々の他の癌のうちの1又はそれ以上の癌が挙げられる。]
[0121] 本発明の態様はまた、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体を含む制御されたもしくは他の用量、剤形、処方物、組成物及び/又は装置、例えば、経口投与(例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ、舌下吸収などによる)、注射(例えば:皮下投与、皮内投与、真皮下投与、筋内投与、デポー投与、静脈内投与又は動脈内投与)、腔内投与(例えば、胸膜腔内又は腹腔内間隙への投与)用の用量及び剤形を含み、任意のこのような投与は、例えば、非経口ボーラスを介する送達、緩慢な静脈内注射及び点滴によって、並びに輸液装置(例えば、埋込可能な輸液装置(能動型及び受動型の両方))の使用によって行われてもよい。]
[0122] 本発明の剤形、処方物、装置及び/又は組成物は、周期的な投与のために処方されてもよい。このような周期的な投与としては、1日に少なくとも1回の投与、2日毎に少なくとも約1回、3日毎に少なくとも約1回、4日毎に少なくとも約1回、5日毎に少なくとも約1回、6日毎に少なくとも約1回、1週間に少なくとも約1回、1.5週間又はそれ以下毎に少なくとも約1回、2週間又はそれ以下毎に少なくとも約1回、2.5週間又はそれ以下毎に少なくとも約1回、3週間又はそれ以下毎に少なくとも約1回、3.5週間又はそれ以下毎に少なくとも約1回、4週間又はそれ以下毎に少なくとも約1回、5週間又はそれ以下毎に少なくとも約1回、あるいは1日〜5週の間又は5週毎に1回より多い任意の時間間隔が挙げられる。]
[0123] 好ましい実施形態において、本発明の組成物は、約100〜約200mg/mL、又は代わりに(alternately)約600〜約1,800mOsm/Lで2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体を含む。]
[0124] 本発明の方法、並びに本発明の組成物及び処方物の使用のいくつかにおいて、化学的保護剤は、化学療法剤とともに投与されてもよく、ここで、治療の期間は、少なくとも3回の連続的なクール(course)を含み、各クールは、化学療法剤(例えば、タキサン抗新生物剤)の投薬のための特定の期間及び化学療法剤の投薬の停止(休止)期間で構成される。本明細書に記載及び特許請求される本発明に関連して、化学療法剤治療は、例えば、2もしくはそれ以上の治療クール、5もしくはそれ以上の治療クール、6もしくはそれ以上の治療クール、7もしくはそれ以上の治療クール、8もしくはそれ以上の治療クール、又は9もしくはそれ以上の治療クールを含んでもよい。治療クールはまた、連続的であってもよい。化学療法剤は、パクリタキセル又はドセタキセルなどのタキサン抗新生物剤であってもよい。化学療法剤(パクリタキセル又はドセタキセルなどのタキサン抗新生物剤であってもよい)はまた、治療のコースにおいて別の化学療法剤(例えば、白金類似体抗新生物薬物)と組み合わせて投与されてもよい。白金類似体抗新生物薬物は、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン又はサトラプラチンであってもよい。]
[0125] 本発明の組成物及び処方物単独又は1もしくはそれ以上の化学療法剤との組み合わせ、並びにそれらの使用説明書は、パック又はキットの形態で含まれていてもよい。したがって、本発明は、本明細書に記載される組成物、処方物及び/又は装置を使用説明書とともに含むキットも包含する。例えば、キットは、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体並びに投与のための説明書を含んでいてもよい。キットは、さらに、1又はそれ以上の化学療法剤をそれらの使用説明書とともに含んでいてもよい。キットはまた、本明細書に記載されるような1又はそれ以上の前治療及びそれらの使用説明書をさらに含んでいてもよい。]
[0126] 一般に、本発明の組成物及び処方物は1日1回投与され、ここで、化学療法剤は、1日〜5週間隔又は本明細書に記載されるように5週間隔の間もしくはそれより長い任意の時間で投与され、本発明の組成物及び処方物は、化学療法剤が投与されるのと同じ日(same date)に投与される。]
[0127] 例えば、療法のクールとしては、3時間にわたって静脈内投与されるパクリタキセル(175mg/m2)の単回投与、1時間の食塩水によるシスプラチン投与前水分補給(pre-cisplatin saline hydration)、直後に約45分にわたって静脈内投与される(本明細書に記載の濃度及び/もしくは重量オスモル濃度を有する処方物における、並びに/又は本明細書に記載の割合で投与される)2,2’−ジチオビス−エタンスルホナートの単回投与、1時間にわたって静脈内投与されるシスプラチン(75mg/m2)の単回投与、及びその後1.5時間の食塩水によるシスプラチン投与後水分補給(post-cisplatin saline hydration)が挙げられる。しかし、これは一例である。本発明の方法は、ただ一つの化学療法剤(例えば、タキサン又は白金類似体化学療法剤)又は1より多い化学療法剤を用いて実施されてもよく、本発明の処方物は、これらの化学療法剤とともに使用されてもよい。]
[0128] 本明細書に言及されるように、本発明の方法はまた、1又はそれ以上の前投薬とともに実施されてもよく、本発明の処方物はまた、これらの前投薬とともに使用されてもよい。]
[0129] 前療法は、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法治療の前に、各化学療法治療の直前に、化学療法治療とともにもしくは化学療法治療の間に同時に、化学療法の直後に、化学療法の後に、並びに/又は当該技術分野において公知の方法にしたがって、及び患者の病状に基づいて投与されてもよい。前投薬は、製品の説明書にしたがって投与されてもよい。例えば、以下の実施例4も参照のこと。]
[0130] 食塩水による水分補給としては、例えば、約1時間〜約2時間にわたって投与される約250mL〜約1000mLの0.9%食塩水溶液の投与が挙げられる。水分補給の他の形態としては、非経口投与用に市販されている高張(例えば、3%塩化ナトリウム)又は低張(例えば、0.45M塩化ナトリウム又はデキストロース5%水又は乳酸リンゲル液)溶液が挙げられ、このような水分補給の他の形態は、患者の病状によって規定されるように、食塩水による水分補給の代わりに、食塩水による水分補給と組み合わせて、又は食塩水による水分補給に加えて使用されてもよい。水分補給工程は、パクリタキセルの投与の前に、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート(又はそのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、もしくは多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)の投与の後に、シスプラチンの投与の前に、及び/又はシスプラチンの投与の後に追加されてもよい。]
[0131] 本発明の化合物及び処方物の注射に適した剤形の例としては、静脈内注射、皮下、真皮下及び筋内投与による、単回又は複数回又は連続又は一定の投与などのボーラスを介する送達が挙げられる。これらの形態は、例えば、血管又は腹腔アクセスによりシリンジ、ペン、ジェット式注射器、及び内部又は外部ポンプを用いて注射されてもよい。シリンジは、0.3、0.5、1、2、5、10、25及び50mL容量を含む種々のサイズで売られている。無針ジェット式注射器も当該技術分野において公知であり、圧縮空気を用いて微細噴霧溶液を皮膚内に注入する。ポンプも当該技術分野において公知である。ポンプは、可撓管(フレキシブルチューブ)によってカテーテルに接続し、このカテーテルは、皮膚直下の組織内に挿入される。カテーテルは、一度に数日間所定の位置に置かれたままにされる。ポンプは、適切な時間に必要量の溶液を分注するようにプログラムされる。さらに、本発明は、輸液用量送達処方物及び装置を提供し、このような処方物及び装置としては、本発明の組成物及び処方物送達用の埋込可能な輸液装置が挙げられるが、これらに限定されない。埋込可能な輸液(又は注入)装置はまた、医療用装置の膜(coating)又は部品で構成されてもよい。この医療用装置では、前記膜(coating)が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩(又はそれらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)を含んだポリマーで構成されている。]
[0132] 本発明の化合物及び処方物のための輸液装置の例としては、所望の回数の用量又は定常状態投与のための所望の割合及び量で投与される2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体を含む輸液ポンプ、及び埋込式(埋込可能な)薬物ポンプが挙げられる。]
[0133] 本発明の化合物及び処方物のための埋込可能な輸液装置の例としては、活性剤が、溶液、懸濁液、あるいは生分解性ポリマー又は合成ポリマー(例えば、シリコーン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、シラスチック(silastic)又は同様のポリマー)の内部にカプセル化されているか又はその中に分散されている任意の固形状又は液状が挙げられる。]
[0134] 本発明の化合物及び処方物の送達に役立つ制御された放出薬物処方物の例が以下に見られる。例えば、スウィートマン,S.C.(Sweetman, S. C.)(編)、薬物参考文献完全版、第33版、ファーマシューティカルプレス、シカゴ(The Complete Drug Reference, 33rd Edition, Pharmaceutical Press, Chicago)、2483頁(2002);オウルトン,M.E.(Aulton,M.E.)(編)、薬剤学.剤形設計の科学、チャーチルリビングストン、エジンバラ(Pharmaceutics. The Science of Dosage Form Design. Churchill Livingstone, Edinburgh)、734頁(2000);及びアンセル,H.C.(Ansel, H. C.)、アレン,L.V.(Allen, L.V.)及びポポビッチ,N.G.(Popovich, N.G.)、薬学的投与形態及び薬物送達系、第7版、リッピンコット(Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th Ed., Lippincott)、676頁(1999)。薬物送達系の製造において用いられる賦形剤は、当業者に公知の様々な出版物、例えば、キービ,E.H.(Kibbe, E. H.)、薬学的賦形剤ハンドブック、第3版、アメリカン ファーマシューティカルアソシエーション、ワシントン(Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Ed., American Pharmaceutical Association, Washington)、665頁(2000)などに記載されている。]
[0135] 本発明の剤形のさらなる例としては、限定はされないが、遅延型放出(DR)形態を含む改変放出(modified-release)(MR)投与形態;持続性作用(PA)形態;制御放出(controlled-release(CR))形態;拡張放出(extended-release(ER))形態;時間調節放出(timed-release(TR))形態;及び長時間作用性(LA)形態が挙げられる。たいてい、これらの用語は経口投与形態を記載するために使用されるが、これらの用語は、本明細書に記載される任意の剤形、処方物、組成物及び/又は装置に適用してもよい。これらの処方物は、薬物投与後、しばらくの間、全薬剤放出、及び/又は投与後の断続的な少量ずつ(small aliquots)での薬物放出、及び/又は送達系に制御された一定量でのゆっくりとした薬物放出、及び/又は変化しない一定割合での薬物放出、及び/又は通常の処方物よりも顕著に長い期間にわたる薬物放出の遅延及び制御に影響を与える。]
[0136] 本発明の改変放出投与形態としては、時間、クール(又はコース)(course)、及び/又は位置に基づいた薬物放出特徴を有する投与形態(又は剤形)が挙げられる。この投与形態は、慣用の又は即時放出形態では得られない治療上又は便宜上の目的を達成するように設計されている。例えば、ボグナー,R.H.(Bogner, R. H.)、「拡張放出経口投与形態の生物学的利用能及び生物学的平衡」、ユナイテッドステイツファーマシスト(Bioavailability and bioequivalence of extended-release oral dosage forms. U.S. Pharmacist)、22(補遺):3−12(1997)を参照のこと。本発明の拡張放出(extended-release)投与形態(剤形)としては、例えば、米国食品医薬品局(FDA)によって定義されるように、溶液又は即時放出型投与形態などの慣用の剤形での投与頻度を低下させる投与形態(剤形)を含む。]
[0137] 本発明は、非経口投与のための2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はそれらの類似体を含む拡張放出処方物を提供する。注射後の、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はそれらの類似体の作用の拡張速度(extended rate)は、下記に挙げる多くの方法において達成され得る:長期の溶解特徴を有する2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートの結晶又は非結晶形態;2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートの処方物がゆっくりと溶解する化学複合体;ゆっくりと吸収される担体又はベヒクル(例えば、油性として)における、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はそれらの類似体の液剤又は懸濁剤;懸濁剤中の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はそれらの類似体の粒径増大;あるいは2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はそれらの類似体のゆっくりと浸食するミクロスフェアの注射(例えば、フリース,W.(Friess, W.)、リー,G.(Lee, G.)及びグローブズ、M.J.(Groves, M. J.)、タンパク質の延長された送達のための不溶コラーゲンマトリックス(Insoluble collagen matrices for prolonged delivery of proteins.)、Pharmaceut. Dev. Technol. 1:185-193(1996)を参照のこと)。例えば、インシュリンの様々な形態の作用持続は、部分的に、その物理的形態(非結晶状又は結晶状)、添加された薬剤との錯体形成、及びその剤形(懸濁剤の液剤)に基づく。]
[0138] 酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩、グルタミン又はグルタミン酸塩緩衝剤を、最終組成物のpHを改変するために添加してもよい。任意に、炭水化物又は多価アルコール等張化剤(tonicifier)、並びにm−クレゾール、ベンジルアルコール、メチル、エチル、プロピル及びブチルパラベン並びにフェノールからなる群より選択される防腐剤を添加してもよい。注射用水、塩化ナトリウムなどの等張化剤(tonicifying agent)、並びに他の賦形剤もまた、所望により存在していてもよい。非経口投与の場合、投与部位での刺激及び疼痛を回避するために、処方物を等張又は実質的に等張にしてもよい。あるいは、非経口投与のための処方物はまた、本明細書に記載されるように、正常哺乳類血漿に対して高浸透であってもよい。]
[0139] 用語「緩衝剤」、「緩衝溶液」及び「緩衝された溶液」は、水素イオン濃度又はpHに関して用いられる場合、溶質/溶媒系(特に、水溶液)が酸もしくはアルカリの添加又は溶媒での希釈又はその両方に対するpHの変化に抵抗する能力をいう。酸又は塩基の添加に対して小さなpH変化を受ける緩衝された溶液の特徴は、弱酸及び弱酸の塩又は弱塩基及び弱塩基の塩のいずれかの存在である。前者の系の一例は、酢酸及び酢酸ナトリウムである。添加されたヒドロキシルイオンの量が、緩衝系がヒドロキシルイオンを中和する能力を越えない限り、pHの変化はわずかである。]
[0140] 本発明の実施において用いられる緩衝剤は、例えば、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩、グルタミン又はグルタミン酸塩緩衝剤のいずれかから選択され、最も好ましい緩衝剤は、リン酸塩緩衝剤である。]
[0141] 担体又は賦形剤は、本発明の組成物及び処方物の投与を容易にするために使用することもできる。担体及び賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、グルコース又はスクロースなどの様々な糖、又はデンプン類、セルロース誘導体、ゼラチン、ポリエチレングリコール及び生理学的に適合可能な溶媒が挙げられる。]
[0142] 安定化剤は、本発明の処方物に含まれていてもよいが、一般に必要でないであろう。しかし、含まれている場合、本発明の実施に有用な安定化剤は、炭水化物又は多価アルコールである。多価アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、キシリトール、及びポリプロピレン/エチレングリコールコポリマー、並びに分子量200、400、1450、3350、4000、6000及び8000の種々のポリエチレングリコール(PEG)などの化合物が挙げられる。炭水化物としては、例えば、マンノース、リボース、トレハロース、マルトース、イノシトール、ラクトース、ガラクトース、アラビノース又はラクトースが挙げられる。]
[0143] 米国局方(United States Pharmacopeia (USP))には、静菌又は静真菌濃度における抗菌剤を複数回投与容器に含まれる調剤に添加しなければならないことが記載されている。抗菌剤は、皮下注射針及びシリンジを用いて内容物の一部を取り出す間又はペン型注射器などの他の送達用侵襲手段を用いる間に不注意に調剤中に持ち込まれる微生物の繁殖を予防するために、使用の際に適切な濃度で存在しなければならない。抗菌剤は、すべての他の処方成分との相溶性を保証するように評価されるべきであり、抗菌剤の活性は、ある処方物に効果的な特定の薬剤が他の処方物に効果的でなくはないことを保証するように、全処方において評価されるべきである。特定の薬剤がある処方物に効果的であるが他の処方物に効果的でないことを見出すことは、珍しいことではない。]
[0144] 防腐剤は、共通の薬学的認識において、微生物の成長を予防又は阻害する物質であり、結果として生じる微生物による薬学的処方物の損傷を回避する目的で処方物に添加され得る。防腐剤の量は多くはないが、それにもかかわらず、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートの全体的な安定性に影響を及ぼし得る。防腐剤としては、例えば、ベンジルアルコール及びエチルアルコールが挙げられる。]
[0145] 本発明の実施における使用のための防腐剤は0.005〜1.0%(w/v)の範囲にあってもよいが、単独で又は他との組み合わせにおける各防腐剤の好ましい範囲は、ベンジルアルコール(0.1〜1.0%)、又はm−クレゾール(0.1〜0.6%)、又はフェノール(0.1〜0.8%)、又はメチルパラベン(0.05〜0.25%)とエチルパラベンもしくはプロピルパラベンもしくはブチルパラベン(0.005%〜0.03%)との組み合わせである。パラベンは、p−ヒドロキシ安息香酸の低級アルキルエステルである。]
[0146] 各防腐剤の詳細な記載は、「レミングトンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」並びに薬学的剤形:非経口薬剤(Pharmaceutical Dosage Forms: Parenteral Medications)、第1巻、エイビス(Avis)ら(1992)に記載されている。これらの目的のために、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体は、慣用の非毒性の薬学的に許容可能な担体、補助剤(アジュバント)及びベヒクルを含む投与量単位処方物において非経口的(皮下注射、静脈内、筋内、皮内注射又は注入(点滴)技術を含む)に投与されてもよい。]
[0147] 所望であれば、非経口処方物は、メチルセルロースなどの増粘剤で増粘されてもよい。処方物は、油中水型又は水中油型のいずれかの乳化型に調製されてもよい。任意の広範に種々の薬学的に許容可能な乳化剤を用いてもよく、このような乳化剤としては、例えば、アカシア粉末、非イオン性界面活性剤又はイオン性界面活性剤が挙げられる。]
[0148] 適切な分散剤又は懸濁化剤を薬学的処方物に添加することが所望されてもよい。これらの分散剤又は懸濁化剤としては、例えば、合成又は天然ゴム(例えば、トラガカント、アカシア、アルギナート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチン)などの水性懸濁剤が挙げられる。]
[0149] 他の成分を本発明の非経口薬学的処方物中に存在させ得ることは可能である。このような追加成分としては、湿潤剤、油剤(例えば、ゴマ油、ピーナツ油又はオリーブ油などの植物油)、鎮痛剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、張度改質剤、金属イオン、脂肪性ベヒクル、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン又はタンパク質)及び両性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リシン又はヒスチジンなどのアミノ酸)が挙げられる。このような追加成分は、当然ながら、本発明の薬学的処方物の全体的な安定性に不利な影響を与えるべきではない。]
[0150] 容器及びキットは組成物の一部でもあり、成分とみなされてもよい。したがって、容器の選択は、容器の組成、並びに成分の組成及び供されるであろう治療の検討に基づく。]
[0151] 薬学的処方物に関しては、薬学的剤形:非経口薬剤(Pharmaceutical Dosage Forms: Parenteral Medications)、第1巻、第2版、エイビス(Avis)ら(編)、マルセルデッカー,ニューヨーク,N.Y.(Mercel Dekker, New York, N.Y.)(1992)も参照のこと。]
[0152] 非経口投与の適切な経路としては、筋内、静脈内、皮下、腹腔内、真皮下、皮内、関節内、鞘内などが挙げられる。粘膜送達も許容される。用量及び投与量レジメンは、体重、健康状態、疾患型(type)、及び被験体に影響を及ぼす疾患の重症度の程度に依存するであろう。]
[0153] 拡大した薬物作用を達成する前記手段に加えて、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩(又はそれらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)の送達の速度および持続期間は、例えば、機械的に制御された薬物輸液ポンプの使用によって制御されてもよい。]
[0154] 本発明は、ある程度、輸液用量送達処方物及び装置を提供し、このような処方物及び装置としては、本発明の組成物及び処方物送達用の埋込可能な輸液装置が挙げられるが、これらに限定されない。埋込可能な輸液装置は、上記の生分解性ポリマー又は合成シリコーン(例えば、シラスチック、シリコーンゴム又はそのような使用のために製造され承認された他の市販のポリマー)などの不活性物質を使用してもよい。ポリマーは、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート及び任意の賦形剤で満たされていてもよい。埋込可能な輸液(又は注入)装置はまた、医療用装置の膜(coating)又は部品で構成されてもよい。この医療用装置では、前記膜(coating)が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩(又はそれらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)を含んだポリマーで構成されている。このような埋込可能な輸液装置は、米国特許第6,309,380号に開示されているように、ポリマーを含むインビボ(in vivo)で生体適合性及び生分解性又は生体吸収性又は生体腐食性溶液又はゲル溶液であって、所望の投与量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体、並びに任意の賦形剤を含む溶液で、装置をコーティングすることによって調製されてもよい。前記溶液を前記医療装置に付着するフィルムにすることで、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートを送達可能であり、埋込可能な医療用装置が形成される。]
[0155] 埋込可能な輸液装置はまた、その全体が本明細書中に組み入れられている米国特許第6,120,789号に開示されているように、固形マトリックスを含む、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体のその場での(in situ)形成によって調製されてもよい。埋込可能な輸液装置は受動型であっても能動型であってもよい。埋込可能な能動型輸液装置は、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートのリザーバ、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩(又はそれらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)を前記リザーバから(例えば、半透膜を通過させて)流出させる手段、及び2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩(又はそれらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)を前記リザーバから推進させるための駆動力で構成されてもよい。このような埋込可能な能動型輸液装置は、例えば、WO 02/45779に開示されるように、さらに外部信号によって作動させてもよい。ここで、埋込可能な輸液装置は、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩及び/又はその類似体を送達するために構成されたシステムを含み、この輸液装置は、埋込可能な輸液装置を作動させたい使用者によって操作可能な外部作動ユニットを含み、この外部作動ユニットは、閉鎖間隔が終わる前にそのような要求を拒絶するコントローラを含む。埋込可能な能動型輸液装置の例としては、埋込式(埋込可能な)薬物ポンプが挙げられる。埋込式薬物ポンプとしては、例えば、目標とする器官系、通常、脊髄又は管に挿入される付属のカテーテルを有する、小型でコンピュータ化されたプログラム可能で詰め替え可能な薬物送達系が挙げられる。例えば、メドトロニックインクパブリケーションズ(Medtronic Inc. Publications):UC9603124EN NP−2687、1997;UC199503941b EN NP−2347 182577−101、2000;UC199801017a EN NP3273a 182600−101、2000;UC200002512 EN NP4050、2000;UC199900546bEN NP−3678EN、2000. メドトロニック,インク(Medtronic, Inc)、ミネアポリス,MN(Minneapolis, MN)(1997−2000)を参照のこと。ポンプには、たいてい2つの引き込み口があり、その一方へ薬物が注入され得、そして、他方は、ボーラス投与又はカテーテルからの液体分析のために、カテーテルに直接接続されている。埋込式薬物輸液ポンプ(例えば、シンクロメドEL(SynchroMed EL)及びシンクロメドプログラマブルポンプ(SynchroMed Programmable Pumps);メドトロニック(Medtronic)製)は、慢性難治性疼痛治療のためのモルヒネ硫酸塩の長期の鞘内輸液;原発性又は転移性癌治療のためのフロクスウリジンの血管内への輸液;重篤な痙縮のための鞘内注射(例えば、バクロフェン注射);慢性難治性疼痛治療のためのモルヒネ硫酸塩の長期の硬膜外輸液;転移性癌治療のためのドキソルビシン、シスプラチン又はメトトレキサートの長期の血管内への輸液;及び骨髄炎治療のためのクリンダマイシンの長期の静脈内への輸液などに必要とされる。このようなポンプは、所望の投与回数又は定常投与の間に所望の量で、一般的に好まれる1又はそれ以上の化学療法剤と組み合わせて、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩(又はそれらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)を含む1又はそれ以上の化合物を同時に長期間にわたって輸液するために使用されてもよい。典型的な埋込式薬物輸液ポンプの1種としては(例えば、シンクロメドELプログラマブルポンプ(SynchroMed EL Programmable Pump);メドトロニック(Medtronic)製)、チタンで覆われ、概円盤状(測定において、直径85.2mm、厚み22.86mm、及び重量185グラム)であり、容量が10mLの薬物リザーバを有し、リチウム−塩化チオニル電池で作動し、使用量によるが、使用可能年数が6〜7年であるポンプがある。ダウンロード可能なメモリは、プログラムされた薬物送達パラメータ及び算出された薬物残存量を含み、この薬物残存量を実際の薬物残存量と比較することでポンプ機能の正確性にアクセスできるが、長時間にわたる実際のポンプ機能は記録されない。ポンプは、通常、腹壁の右側又は左側に埋め込まれる。本発明において有用な他のポンプとしては、例えば、携帯用使い捨て輸液ポンプ(PDIP)が挙げられる。また、埋込可能な輸液装置は、様々なリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンなどから形成され得る小単層小胞(気胞)、大単層小胞(気胞)、及び多層小胞(気胞)などのリポソーム送達系を利用してもよい。]
[0156] 本発明は、ある程度であるが、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩、それらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び/又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体の生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)を高めるために処方された用量送達処方物及び装置も提供する。この処方物及び装置は、上述の任意の処方物及び/もしくは装置に加えて又は組み合わせて用いてもよい。]
[0157] 2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートの生物学的利用能の増加は、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩、それらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び/又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体が1又はそれ以上の生物学的利用能もしくは吸収増強剤と錯体化することによって、あるいは生物学的利用能もしくは吸収増強処方物(タウロコール酸などの胆汁酸を含む)において、達成され得る。]
[0158] 本発明はまた、ある程度であるが、生物学的利用能を高めるためのマイクロエマルジョンで、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート、その薬学的に許容可能な塩、それらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び/又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体の処方物を規定する。マイクロエマルジョンは、下記の4つの主な成分を含む流体でかつ安定した均一な溶液である:親水性相、親油性相、少なくとも1つの界面活性剤(SA)及び少なくとも1つの共界面活性剤(CoSA)。界面活性剤は2つの基を有する化合物であり、第1の基は極性又はイオン性であり、水に対する親和性が大きく、そして、第2の基は長鎖又は短鎖の脂肪族鎖を含み、かつ疎水性である。著しく親水性の特性を有するこれらの化合物は、水性又は油性溶液中でミセル形成を生じることを意図する。適切な界面活性剤の例としては、モノ、ジ及びトリグリセリド並びにポリエチレングリコール(PEG)モノ及びジエステルが挙げられる。時には「共表面活性剤」としても知られる共界面活性剤は、疎水性の特徴を有する化合物であり、マイクロエマルジョン中で水相及び油相の相互可溶化を生じることを意図する。適切な共界面活性剤の例としては、エチルジグリコール、プロピレングリコールのラウリル酸エステル、ポリグリセロールのオレイン酸エステル、及びそれに関連した化合物が挙げられる。]
[0159] 任意のこのような用量は、本明細書に記載された任意の経路又は任意の形態によって投与されてもよい。例えば、用量は、改変放出、拡張放出、遅延型放出、ゆっくりとした放出又は繰り返し作用(repeat action)経口投与形態において送達される剤形に関して記載された特徴又は組成物を組み入れてもよい、非経口投与に適切な剤形を用いて非経口的に与えられ得る。]
[0160] 以下の詳細な実施例を参照することにより、本発明をよりよく理解できるであろう。以下の実施例は、例示的なものであり、いかなる様式においても本発明又は特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。]
[0161] 実施例1
投与のための2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液の調製
滅菌し、発熱物質を除去した(de-pyrogenated)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム(被験体への非経口投与用に製造されている)は、以下のようにして、投与のために調製できる。]
[0162] すべての設備及び装置が医薬品の作製における使用に適していることを確認する(以下、「調製室」)。施設が適切に滅菌され、内毒素(エンドクリン)、不純物及び汚染物が許容可能なレベルであることを確認した後、実施例1で得られた溶液を調製室に移す。調製室は、調製室の外の圧力と比較した圧力差とともに、浮遊微小粒子及び生育植物フローラ(バイアブルフローラ(viable flora))について、連続的に監視される。2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート組成物(すなわち、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム及び/又は他の薬学的に許容可能な塩、それらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び/又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)を溶液の形態で含む適切な大きさの滅菌容器に対して加熱ベルトを適用して、この溶液を35〜40℃の間で温める。溶液をこの温度で一晩放置した後、この溶液を0.6ミクロンの滅菌プレフィルタにより濾過し、次いで0.2ミクロンの滅菌フィルタにより濾過する。溶液がこれらのフィルタをすべて通過したら、このフィルタのバブルテストを行い、イソプロピルアルコール60%及び水40%の溶液を用いてフィルタを洗い流し、水泡のポイントが11psiに達するようにする。このテストに失敗した場合、新しいフィルタを用いて、バブルテストが成功するまで、濾過を繰り返さなければならない。2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム含有溶液のサンプルを取り出し、充填工程へ進む前に純度についてアッセイする。]
[0163] 次いで、溶液をフレキシコン(Flexicon(登録商標))充填機へ移す。この充填機により、各滅菌バイアル(ガラス瓶)中に6.0g±0.1gの溶液を分配する。その後、各バイアルに滅菌栓をして、最後に各バイアルに滅菌シールを当てて密封する(crimped)。多くのバイアルは、充填及び密封後、試験のために移動させる。充填したバイアルの数を記録し、そのバイアルを、検査のための隔離域(quarant area)へ移す。バイアルの検査後、内容物、使用説明書及び/又は安全情報に関する情報が印刷されたラベルを各バイアルに貼り付ける。各バイアルに含まれる2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム、及び/又は他の薬学的に許容可能な塩、及び/又はそれらの類似体の濃度を、ラベルに記録した。]
[0164] 2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムの必要量の計算は、所望の用量割合(例えば、制限はないが、1m2あたり、1分あたりのグラム又はミリグラム)に基づいてなされ、医師が患者の状態を治療することによって適切に考慮される。例えば、患者の化学療法とともに2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムを用いて患者を治療して毒性を低減、予防、緩和又は遅延することが必要であると医師が決定し、患者の体表面積(すなわち、許容可能な慣用の方法によって決定される)が1.7m2であることが測定され、さらに、投与されるべき2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液の所望の用量割合が約695mg/分、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液の重量オスモル濃度が約1,660mOsm/L、全体が45分にわたって投与されると決定される場合、薬剤師は、投与のために2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液を以下のように調製する:(i)695mg/分×45分=31,280ミリグラム;(ii)次に、薬剤師は、31,280ミリグラム÷200mg/mL=156.4mLの20%2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液を計算することによって、患者への投与に十分な量で、2,2’−ジチオビスエタンスルホン酸二ナトリウムの20%(200mg/mL)ストック溶液(原液)を調製する。次いで、200mg/mLのストック溶液を、種々の他の所望の濃度に希釈する。]
[0165] 投与のために調製する場合、計算された量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム及び/又は別の薬学的に許容可能な塩、それらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び/又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体は、適切に製造された20%溶液から得られるか、あるいは水、デキストロース水、生理的食塩水、デキストロース及び食塩水、又は非経口投与用に認可されている任意の他の許容可能な希釈剤中に速やかに戻されるかのいずれかである。希釈剤は、このような投与のために設計される適切なピロゲンフリーな(発熱物質を有さない)滅菌プラスチック又はガラス容器中に、非経口注射における使用のために保存される。]
[0166] 実施例2
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液の投与
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液を、最終重量オスモル濃度が約830mOsm/Lである直前の実施例1と同一の又は異なる患者に投与し、かつこの溶液を同一の用量割合でこの患者に投与することがさらに所望される場合には、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液の調剤の重量オスモル濃度の調整及び同一の調製溶液の投与は、以下のようであってもよい:(i)156.4mLの20%(200mg/mL)2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液を、156.4mLの水、デキストロース水、生理的食塩水、デキストロース及び食塩水溶液、又は非経口投与における使用のために認可されている任意の他の許容可能な滅菌希釈剤に添加し、前記投与用の適切なプラスチック又はガラス容器中に入れ;(ii)合計45分以内(仮にこの時間が2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液注入物を被験体に投与するために実施例1において用いられた合計時間であるならば)に投与されたことを確実にするため、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液注入の割合を約2倍に増加する。]
[0167] 実施例3
45分にわたる100mg/mL濃度での2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液の投与
適切に調製した2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナート[例えば、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム(及び/又は別の薬学的に許容可能な塩、それらのプロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び/又は多形体、並びに立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体)]溶液(最終形態において約830mOsm/L)の投与を、適切に作成された医師の指示書に基づいて実施する。被験体は、100mg/mLの2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液を、約7mL/分の割合で合計45分間静脈内投与される。]
[0168] 実施例4
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウム溶液とタキサン化学療法剤との投与
乳癌と診断された患者は、パクリタキセル及び2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムを用いる治療を受けた;両薬剤を、7日毎に1回、それぞれ単回の1日の静脈内注入として、別々に投与した。パクリタキセルを、1時間にわたって80mg/m2の用量で静脈内投与した。パクリタキセル投与の直後に、約18.4g/m2の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムを45分にわたって静脈内投与した。患者の体表面積(BSA)を、各患者の個人の身長及び体重データを利用する標準化計算図表及び計算を含み、このような目的のために習慣的に用いられる標準的な方法の使用に基づいて決定した。]
[0169] 2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムを、実施例1に記載のように調製し、200mg/mLのストック濃度でガラス瓶に入れた。]
[0170] 用量の計算:各患者についての2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムの用量及び容量を、以下の式を用いて計算した:
(18,400mg/m2×BSA(m2))÷200mg/mL=各患者についての総用量(mL)。]
[0171] 例えば、BSAが1.76m2である患者は、以下のようにして計算された総容量162mLのストック溶液を与えられる:
(18,400mg/m2÷200mg/mL)×1.76m2=92×1.76=162mL
濃度の計算:各患者についての薬剤の最終濃度を、最終濃度100mg/mLの2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムの投与に基づいて計算した。]
[0172] 工程1:投与されるべき最終濃度についての濃度係数の計算
出発濃度(mg/mL)÷目標濃度=X=濃度係数
工程2:最終濃度の容量の計算
出発濃度の容量×濃度係数X=最終総容量
例えば、患者が162mLの200mg/mLストック溶液の用量を与えられる場合、162mLの2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムを、以下のように、等容量の静脈内投与用滅菌水に添加する:
工程1:200mg/mL÷100mg/mL=2
工程2:162mL×2=324mL(最終総容量)
割合(速度)の計算:注入割合(速度)を、45分の注入時間に基づいて計算した。]
[0173] 総容量=mL/分÷総分数
例えば、総容量が324mLである場合、割合(速度)は約7.2又は7mL/分である(すなわち、324mL÷45分=7.2mL/分)。]
[0174] パクリタキセルを、250〜500ccのUSP注射用5%デキストロース又はUSP注射用0.9%塩化ナトリウム中に希釈した。上記には80mg/m2が記載されているが、他の用量を投与してもよい。例えば、パクリタキセルを、約50mg/m2〜約175m2、約100mg/m2(例えば、約135mg/m2、約150mg/m2及び約175mg/m2を含む)で投与してもよい。さらに、代替の注入時間としては、例えば、約1時間〜約24時間が挙げられる。パクリタキセル溶液を、ラベルに記載の製造業者の説明書にしたがって調製してもよい。]
[0175] HER2陽性患者は、さらに、トラスツズマブ(trastuzumab)治療を受けてもよい。トラスツズマブを、投与に先だって、この薬物とともに供給された正確に20mLの静菌性水を用いて再構成した。得られたストック溶液は、21mg/mLのトラスツズマブを含んでいた。トラスツズマブを、さらに、250cm3のUSP注射用0.9%塩化ナトリウムを含むポリ塩化ビニル又はポリエチレン輸液バッグに適切な量の薬物を添加することにより、投与の前に希釈した。トラスツズマブの最初の用量は4mg/kgであり、90分にわたって静脈内投与した。その後のすべてのトラスツズマブの用量は2mg/kgであり、週1回、30分にわたって投与した。トラスツズマブは、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムの各用量の完了後に投与された。]
[0176] 任意に、患者は、さらに、パクリタキセル及び/又は生理的食塩水による水分補給のための前投薬(pre-medications)を受けてもよい。前投薬としては、例えば、デキサメタゾン、ジフェンヒドラミン及びH2抗ヒスタミン薬(シメチジン、ラニチジン又はファモチジンを含む)が挙げられる。]
[0177] デキサメタゾンは、標準的技法/レジメンにしたがって投与してもよいが、患者におけるデキサメタゾン毒性の蓄積を回避するために、以下の漸減(taper)が推奨される。非経口投与用の10mgのデキサメタゾンを製造業者のラベルにしたがって調製し、第1週の間のパクリタキセル注入の30分前に静脈内投与し、次いで第2週に8mgを静脈内投与し、第3週に6mgを静脈内投与し、第4週に3、4mgを静脈内投与し、そしてその後はパクリタキセル治療が続く限り、2mgを静脈内投与することができる。患者が10mgより少ないデキサメタゾン用量を与えられて任意の過敏性反応を経験する場合、すべてのさらなるパクリタキセル治療の前に、この患者に、所望に応じて次に高いデキサメタゾン用量又は他のより高い用量のデキサメタゾンを与えてもよい。]
[0178] 静脈内へのデキサメタゾン投与が利用できない場合、上記と同一の用量で、パクリタキセル注入の4〜6時間前に投与される市販のデキサメタゾンの経口処方物を用いてもよい。商業的供給元からのプレドニゾン(predmisone)又はプレドニゾロン(prednisolone)を、以下の用量で、上述の用量のデキサメタゾンの代わりに用いてもよい:デキサメタゾン用量(プレドニゾン用量):10mg(60mg)、8mg(50mg)、6mg(40mg)、4mg(25mg)又は2mg(15mg)。]
[0179] 商業的供給元からのジフェンヒドラミン塩酸塩50mgを、パクリタキセル投与の30〜60分前に静脈内投与してもよい。ジフェンヒドラミンは、製造業者の説明書にしたがって調製され、そして患者に投与されるべきである。]
[0180] 以下の市販のH2抗ヒスタミン薬の前投薬の1つを、任意に、パクリタキセル投与の30〜60分前に投与してもよい:(i)静脈内(i.v)ラニチジン塩酸塩50mg;(ii)静脈内(i.v)シメチジン塩酸塩300mg;又は(iii)静脈内(i.v)ファモチジン20mg。患者に投与されるH2抗ヒスタミン薬は、製造業者の説明書にしたがって調製され、そして投与されるべきである。]
[0181] 食塩水による水分補給としては、例えば、約1時間〜約2時間にわたって投与される約250mL〜約1000mLの0.9%食塩水(塩化ナトリウム)溶液の投与が挙げられる。食塩水による水分補給工程は、例えば、パクリタキセルの投与前又は2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムの投与後に行うことができる。]
权利要求:

請求項1
化学療法剤を受ける被験体での毒性を低減、予防、緩和又は遅延する方法であって、薬学的に有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートを、必要とする前記被験体に約0.1g/分〜約2.0g/分の割合で投与する方法。
請求項2
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約0.2g/分〜約1.0g/分の割合で投与される請求項1記載の方法。
請求項3
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約0.7g/分の割合で投与される請求項1記載の方法。
請求項4
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約45分にわたって投与される請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の方法。
請求項5
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約100mg/mLの濃度で投与される請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の方法。
請求項6
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約45分にわたって約100mg/mLの濃度で投与される請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の方法。
請求項7
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、薬学的に許容可能な塩である請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の方法。
請求項8
塩が、二ナトリウム塩である請求項7記載の方法。
請求項9
塩が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、アンモニウム塩、又は一カリウム塩からなる群より選択される請求項7記載の方法。
請求項10
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜5週毎に約1回投与される請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の方法。
請求項11
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜3週毎に約1回投与される請求項1記載の方法。
請求項12
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜2週毎に約1回投与される請求項1記載の方法。
請求項13
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜1週毎に約1回投与される請求項1記載の方法。
請求項14
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日毎に約1回、2日毎に約1回、3日毎に約1回、4日毎に約1回、約5日毎に1回、又は6日毎に約1回からなる群より選択される期間に投与される請求項1記載の方法。
請求項15
化学療法剤の投与に関連する1より多い毒性の形態を低減、予防、緩和又は遅延する請求項1記載の方法。
請求項16
毒性が神経毒性である請求項1記載の方法。
請求項17
毒性が腎毒性である請求項1記載の方法。
請求項18
毒性が骨髄抑制である請求項1記載の方法。
請求項19
毒性が肝毒性である請求項1記載の方法。
請求項20
毒性が悪心(又は吐き気)及び嘔吐である請求項1記載の方法。
請求項21
化学療法剤治療サイクル間の期間を短縮する請求項1記載の方法。
請求項22
化学療法剤の投与量を増大する請求項1記載の方法。
請求項23
化学療法的治療の回数を増大する請求項1記載の方法。
請求項24
さらに、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法的治療の前に、各化学療法的治療の直前に、化学療法的治療とともにもしくは化学療法的治療の間に同時に、化学療法の直後に、又は化学療法の後に、療法前治療(pre-therapy treatment)を投与する請求項1記載の方法。
請求項25
化学療法剤が、タキサン類似体である請求項1記載の方法。
請求項26
化学療法剤が、ドセタキセルである請求項1記載の方法。
請求項27
化学療法剤が、パクリタキセルである請求項1記載の方法。
請求項28
化学療法剤が、白金類似体である請求項1記載の方法。
請求項29
化学療法剤が、シスプラチンである請求項1記載の方法。
請求項30
化学療法剤が、カルボプラチンである請求項1記載の方法。
請求項31
化学療法剤が、オキサリプラチンである請求項1記載の方法。
請求項32
化学療法剤が、サトラプラチンである請求項1記載の方法。
請求項33
さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する請求項1記載の方法。
請求項34
化学療法剤が、フルロピリミジン、ピリミジンヌクレオシド、葉酸拮抗剤、プリンヌクレオシド、ヌクレオチド、白金類似体、アントラサイクリン/アントラセンジオン、エピポドフィロトキシン、カンプトテシン、ホルモン及びホルモン類似体、抗ホルモン剤、酵素、タンパク質、ペプチド、抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びタキサン類似体、抗微小管剤、アルキル化剤、エポチロン、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、タンパク質、ペプチド、酵素、又は他の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤からなる群より選択される請求項33記載の方法。
請求項35
さらに、1又はそれ以上の水分補給(hydration)工程を含む請求項1記載の方法。
請求項36
化学療法剤(単数又は複数)が、癌を有する被験体の治療に利用される請求項33記載の方法。
請求項37
被験体がヒトである請求項36記載の方法。
請求項38
化学療法剤が、卵巣、胸部、肺、食道、胃、膵臓、肝臓(胆管、胆嚢及びファーター膨大部を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、膀胱、尿路上皮、前立腺、子宮内膜、子宮、頸部、卵管、中枢神経系、末梢神経系、並びにリンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの他の癌からなる群より選択される任意の1又はそれ以上の癌の治療用である請求項36記載の方法。
請求項39
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、経口投与に適した形態である請求項1記載の方法。
請求項40
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、非経口投与に適した形態である請求項1記載の方法。
請求項41
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、静脈内に投与される請求項40記載の方法。
請求項42
化学療法剤を受ける被験体において毒性を低減、予防、緩和又は遅延する方法であって、薬学的に有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートを、必要とする前記被験体に約1mg/mL/分〜約50mg/mL/分の割合で投与する方法。
請求項43
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約1mg/mL/分〜約20mg/mL/分の割合で投与される請求項42記載の方法。
請求項44
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約7mg/mL/分の割合で投与される請求項42記載の方法。
請求項45
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約45分にわたって投与される請求項42記載の方法。
請求項46
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約100mg/mLの濃度で投与される請求項42記載の方法。
請求項47
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約45分にわたって約100mg/mLの濃度で投与される請求項42記載の方法。
請求項48
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、薬学的に許容可能な塩である請求項42記載の方法。
請求項49
塩が、二ナトリウム塩である請求項48記載の方法。
請求項50
塩が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、アンモニウム塩、又は一カリウム塩からなる群より選択される請求項48記載の方法。
請求項51
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜5週毎に約1回投与される請求項42記載の方法。
請求項52
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜3週毎に約1回投与される請求項42記載の方法。
請求項53
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜2週毎に約1回投与される請求項42記載の方法。
請求項54
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜1週毎に約1回投与される請求項42記載の方法。
請求項55
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日毎に約1回、2日毎に約1回、3日毎に約1回、4日毎に約1回、約5日毎に1回、又は6日毎に約1回からなる群より選択される期間において投与される請求項42記載の方法。
請求項56
化学療法剤の投与に関連する1より多い毒性の形態を低減、予防、緩和又は遅延する請求項42記載の方法。
請求項57
毒性が神経毒性である請求項42記載の方法。
請求項58
毒性が腎毒性である請求項42記載の方法。
請求項59
毒性が骨髄抑制である請求項42記載の方法。
請求項60
毒性が肝毒性である請求項42記載の方法。
請求項61
毒性が悪心(又は吐き気)及び嘔吐である請求項42記載の方法。
請求項62
化学療法剤治療サイクル間の期間を短縮する請求項42記載の方法。
請求項63
化学療法剤の投与量を増大する請求項42記載の方法。
請求項64
化学療法的治療の回数を増大する請求項42記載の方法。
請求項65
さらに、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法的治療の前に、各化学療法的治療の直前に、化学療法的治療とともにもしくは化学療法的治療の間に同時に、化学療法の直後に、又は化学療法の後に、療法前治療を投与する請求項42記載の方法。
請求項66
化学療法剤が、タキサン類似体である請求項42記載の方法。
請求項67
化学療法剤が、ドセタキセルである請求項42記載の方法。
請求項68
化学療法剤が、パクリタキセルである請求項42記載の方法。
請求項69
化学療法剤が、白金類似体である請求項42記載の方法。
請求項70
化学療法剤が、シスプラチンである請求項42記載の方法。
請求項71
化学療法剤が、カルボプラチンである請求項42記載の方法。
請求項72
化学療法剤が、オキサリプラチンである請求項42記載の方法。
請求項73
化学療法剤が、サトラプラチンである請求項42記載の方法。
請求項74
さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する請求項42記載の方法。
請求項75
化学療法剤が、フルロピリミジン、ピリミジンヌクレオシド、葉酸拮抗剤、プリンヌクレオシド、ヌクレオチド、白金類似体、アントラサイクリン/アントラセンジオン、エピポドフィロトキシン、カンプトテシン、ホルモン及びホルモン類似体、抗ホルモン剤、酵素、タンパク質、ペプチド、抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びタキサン類似体、抗微小管剤、アルキル化剤、エポチロン、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、タンパク質、ペプチド、酵素、又は他の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤からなる群より選択される請求項74記載の方法。
請求項76
さらに、1又はそれ以上の水分補給工程を含む請求項42記載の方法。
請求項77
化学療法剤(単数又は複数)が、癌を有する被験体の治療に利用される請求項74記載の方法。
請求項78
被験体がヒトである請求項77記載の方法。
請求項79
化学療法剤が、卵巣、胸部、肺、食道、胃、膵臓、肝臓(胆管、胆嚢及びファーター膨大部を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、膀胱、尿路上皮、前立腺、子宮内膜、子宮、頸部、卵管、中枢神経系、末梢神経系、並びにリンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの他の癌からなる群より選択される任意の1又はそれ以上の癌の治療用である請求項77記載の方法。
請求項80
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、経口投与に適した形態である請求項42記載の方法。
請求項81
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、非経口投与に適した形態である請求項42記載の方法。
請求項82
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、静脈内に投与される請求項81記載の方法。
請求項83
化学療法剤を受ける被験体において毒性を低減、予防、緩和又は遅延する方法であって、前記方法は、薬学的に有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートを含む組成物を、必要とする前記被験体に投与するものであり、前記組成物が、前記被験体の正常血漿重量オスモル濃度の約0.1〜約5倍の重量オスモル濃度を有する方法。
請求項84
組成物が、被験体の正常血漿重量オスモル濃度の約2〜約4倍の重量オスモル濃度を有する請求項83記載の方法。
請求項85
組成物が、被験体の正常血漿重量オスモル濃度の約3倍の重量オスモル濃度を有する請求項83記載の方法。
請求項86
組成物が、1日約1回〜5週毎に約1回投与される請求項83記載の方法。
請求項87
組成物が、1日約1回〜3週毎に約1回投与される請求項83記載の方法。
請求項88
組成物が、1日約1回〜2週毎に約1回投与される請求項83記載の方法。
請求項89
組成物が、1日約1回〜1週毎に約1回投与される請求項83記載の方法。
請求項90
組成物が、1日毎に約1回、2日毎に約1回、3日毎に約1回、4日毎に約1回、約5日毎に1回、又は6日毎に約1回からなる群より選択される期間において投与される請求項83記載の方法。
請求項91
化学療法剤の投与に関連する1より多い毒性の形態を低減、予防、緩和又は遅延する請求項83記載の方法。
請求項92
毒性が神経毒性である請求項83記載の方法。
請求項93
毒性が腎毒性である請求項83記載の方法。
請求項94
毒性が骨髄抑制である請求項83記載の方法。
請求項95
毒性が肝毒性である請求項83記載の方法。
請求項96
毒性が悪心(又は吐き気)及び嘔吐である請求項83記載の方法。
請求項97
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、薬学的に許容可能な塩である請求項83記載の方法。
請求項98
塩が、二ナトリウム塩である請求項97記載の方法。
請求項99
塩が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、アンモニウム塩、又は一カリウム塩からなる群より選択される請求項97記載の方法。
請求項100
化学療法剤治療サイクル間の期間を短縮する請求項83記載の方法。
請求項101
化学療法剤の投与量を増大する請求項83記載の方法。
請求項102
化学療法的治療の回数を増大する請求項83記載の方法。
請求項103
さらに、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法的治療の前に、各化学療法的治療の直前に、化学療法的治療とともにもしくは化学療法的治療の間に同時に、化学療法の直後に、又は化学療法の後に、療法前治療を投与する請求項83記載の方法。
請求項104
化学療法剤が、タキサン類似体である請求項83記載の方法。
請求項105
化学療法剤が、ドセタキセルである請求項83記載の方法。
請求項106
化学療法剤が、パクリタキセルである請求項83記載の方法。
請求項107
化学療法剤が、白金類似体である請求項83記載の方法。
請求項108
化学療法剤が、シスプラチンである請求項83記載の方法。
請求項109
化学療法剤が、カルボプラチンである請求項83記載の方法。
請求項110
化学療法剤が、オキサリプラチンである請求項83記載の方法。
請求項111
化学療法剤が、サトラプラチンである請求項83記載の方法。
請求項112
さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する請求項83記載の方法。
請求項113
化学療法剤が、フルロピリミジン、ピリミジンヌクレオシド、葉酸拮抗剤、プリンヌクレオシド、ヌクレオチド、白金類似体、アントラサイクリン/アントラセンジオン、エピポドフィロトキシン、カンプトテシン、ホルモン及びホルモン類似体、抗ホルモン剤、酵素、タンパク質、ペプチド、抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びタキサン類似体、抗微小管剤、アルキル化剤、エポチロン、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、タンパク質、ペプチド、酵素、又は他の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤からなる群より選択される請求項112記載の方法。
請求項114
さらに、1又はそれ以上の水分補給工程を含む請求項83記載の方法。
請求項115
化学療法剤(単数又は複数)が、癌を有する被験体の治療に利用される請求項112記載の方法。
請求項116
被験体がヒトである請求項115記載の方法。
請求項117
化学療法剤が、卵巣、胸部、肺、食道、胃、膵臓、肝臓(胆管、胆嚢及びファーター膨大部を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、膀胱、尿路上皮、前立腺、子宮内膜、子宮、頸部、卵管、中枢神経系、末梢神経系、並びにリンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの他の癌からなる群より選択される任意の1又はそれ以上の癌の治療用である請求項115記載の方法。
請求項118
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、経口投与に適した形態である請求項83記載の方法。
請求項119
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、非経口投与に適した形態である請求項83記載の方法。
請求項120
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、静脈内に投与される請求項119に記載の方法。
請求項121
化学療法剤を受ける被験体での毒性を低減、予防、緩和又は遅延する方法であって、薬学的に有効な量の2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートを、必要とする前記被験体に約0.1g/分〜約4.6g/分の割合で、約4g/m2〜約35g/m2の総用量で投与する方法。
請求項122
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約0.2g/分〜約2.0g/分の割合で投与される請求項121記載の方法。
請求項123
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約0.7g/分の割合で投与される請求項121記載の方法。
請求項124
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約45分にわたって投与される請求項121記載の方法。
請求項125
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約100mg/mLの濃度で投与される請求項121記載の方法。
請求項126
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、約45分にわたって約100mg/mLの濃度で投与される請求項121記載の方法。
請求項127
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、薬学的に許容可能な塩を含む請求項121記載の方法。
請求項128
塩が、二ナトリウム塩である請求項127記載の方法。
請求項129
塩が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、アンモニウム塩、又は一カリウム塩からなる群より選択される請求項127記載の方法。
請求項130
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜5週毎に約1回投与される請求項121記載の方法。
請求項131
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜3週毎に約1回投与される請求項121記載の方法。
請求項132
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜2週毎に約1回投与される請求項121記載の方法。
請求項133
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日約1回〜1週毎に約1回投与される請求項121記載の方法。
請求項134
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、1日毎に約1回、2日毎に約1回、3日毎に約1回、4日毎に約1回、約5日毎に1回、又は6日毎に約1回からなる群より選択される期間において投与される請求項121記載の方法。
請求項135
化学療法剤の投与に関連する1より多い毒性の形態を低減、予防、緩和又は遅延する請求項121記載の方法。
請求項136
毒性が神経毒性である請求項121記載の方法。
請求項137
毒性が腎毒性である請求項121記載の方法。
請求項138
毒性が骨髄抑制である請求項121記載の方法。
請求項139
毒性が肝毒性である請求項121記載の方法。
請求項140
毒性が悪心(又は吐き気)及び嘔吐である請求項121記載の方法。
請求項141
化学療法剤治療サイクル間の期間を短縮する請求項121記載の方法。
請求項142
化学療法剤の投与量を増大する請求項121記載の方法。
請求項143
化学療法的治療の回数を増大する請求項121記載の方法。
請求項144
さらに、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法的治療の前に、各化学療法的治療の直前に、化学療法的治療とともにもしくは化学療法的治療の間に同時に、化学療法の直後に、又は化学療法の後に、療法前治療を投与する請求項121記載の方法。
請求項145
化学療法剤が、タキサン類似体である請求項121記載の方法。
請求項146
化学療法剤が、ドセタキセルである請求項121記載の方法。
請求項147
化学療法剤が、パクリタキセルである請求項121記載の方法。
請求項148
化学療法剤が、白金類似体である請求項121記載の方法。
請求項149
化学療法剤が、シスプラチンである請求項121記載の方法。
請求項150
化学療法剤が、カルボプラチンである請求項121記載の方法。
請求項151
化学療法剤が、オキサリプラチンである請求項121記載の方法。
請求項152
化学療法剤が、サトラプラチンである請求項121記載の方法。
請求項153
さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する請求項121記載の方法。
請求項154
化学療法剤が、フルロピリミジン、ピリミジンヌクレオシド、葉酸拮抗剤、プリンヌクレオシド、ヌクレオチド、白金類似体、アントラサイクリン/アントラセンジオン、エピポドフィロトキシン、カンプトテシン、ホルモン及びホルモン類似体、抗ホルモン剤、酵素、タンパク質、ペプチド、抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びタキサン類似体、抗微小管剤、アルキル化剤、エポチロン、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、タンパク質、ペプチド、酵素、又は他の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤からなる群より選択される請求項153記載の方法。
請求項155
さらに、1又はそれ以上の水分補給工程を含む請求項121記載の方法。
請求項156
化学療法剤(単数又は複数)が、癌を有する被験体の治療に利用される請求項121記載の方法。
請求項157
被験体がヒトである請求項156記載の方法。
請求項158
化学療法剤が、卵巣、胸部、肺、食道、胃、膵臓、肝臓(胆管、胆嚢及びファーター膨大部を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、膀胱、尿路上皮、前立腺、子宮内膜、子宮、頸部、卵管、中枢神経系、末梢神経系、並びにリンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの他の癌からなる群より選択される任意の1又はそれ以上の癌の治療用である請求項156記載の方法。
請求項159
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、経口投与に適した形態である請求項121記載の方法。
請求項160
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、非経口投与に適した形態である請求項121記載の方法。
請求項161
2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホナートが、静脈内に投与される請求項159記載の方法。
請求項162
化学療法剤を受ける被験体において毒性を低減、予防、緩和又は遅延する方法であって、この方法は、薬学的に有効な量の式(I):X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)であり;R2はスルホナート又はホスホナートであり;Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種で置換されていてもよい)である]の化合物(composition);及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、多形体、立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体;を含む組成物を、必要とする被験体に投与するものであり;前記化合物(composition)が、約0.1g/分〜約2.0g/分の割合で前記被験体に投与される方法。
請求項163
化合物(composition)が、約0.2g/分〜約1.0g/分の割合で投与される請求項162記載の方法。
請求項164
化合物(composition)が、約0.2g/分〜約1.0g/分の割合で投与される請求項162記載の方法。
請求項165
化合物(composition)が、約0.7g/分の割合で投与される請求項162記載の方法。
請求項166
化合物(composition)が、約45分にわたって投与される請求項162記載の方法。
請求項167
化合物(composition)が、約100mg/mLの濃度で投与される請求項162記載の方法。
請求項168
化合物(composition)が、約45分にわたって約100mg/mLの組成物濃度で投与される請求項162記載の方法。
請求項169
化合物(composition)が、式(I)の薬学的に許容可能な塩である請求項162記載の方法。
請求項170
塩が、二ナトリウム塩である請求項169記載の方法。
請求項171
塩が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、アンモニウム塩、又は一カリウム塩からなる群より選択される請求項169記載の方法。
請求項172
化合物(composition)が、1日約1回〜5週毎に約1回投与される請求項162記載の方法。
請求項173
化合物(composition)が、1日約1回〜3週毎に約1回投与される請求項162記載の方法。
請求項174
化合物(composition)が、1日約1回〜2週毎に約1回投与される請求項162記載の方法。
請求項175
化合物(composition)が、1日約1回〜1週毎に約1回投与される請求項162記載の方法。
請求項176
化合物(composition)が、1日毎に約1回、2日毎に約1回、3日毎に約1回、4日毎に約1回、約5日毎に1回、又は6日毎に約1回からなる群より選択される期間において投与される請求項162記載の方法。
請求項177
化学療法剤の投与に関連する1より多い毒性の形態を低減、予防、緩和又は遅延する請求項162記載の方法。
請求項178
毒性が、神経毒性、腎毒性、骨髄抑制、肝毒性、又は悪心(又は吐き気)及び嘔吐からなる群より選択される請求項162記載の方法。
請求項179
化学療法剤治療サイクル間の期間を短縮する請求項162記載の方法。
請求項180
化学療法剤の投与量を増大する請求項162記載の方法。
請求項181
化学療法的治療の回数を増大する請求項162記載の方法。
請求項182
さらに、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法的治療の前に、各化学療法的治療の直前に、化学療法的治療とともにもしくは化学療法的治療の間に同時に、化学療法の直後に、又は化学療法の後に、療法前治療を投与する請求項162記載の方法。
請求項183
化学療法剤が、タキサン類似体である請求項162記載の方法。
請求項184
化学療法剤が、ドセタキセルである請求項162記載の方法。
請求項185
化学療法剤が、パクリタキセルである請求項162記載の方法。
請求項186
化学療法剤が、白金類似体である請求項162記載の方法。
請求項187
化学療法剤が、シスプラチンである請求項162記載の方法。
請求項188
化学療法剤が、カルボプラチンである請求項162記載の方法。
請求項189
化学療法剤が、オキサリプラチンである請求項162記載の方法。
請求項190
化学療法剤が、サトラプラチンである請求項162記載の方法。
請求項191
さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する請求項162記載の方法。
請求項192
化学療法剤が、フルロピリミジン、ピリミジンヌクレオシド、葉酸拮抗剤、プリンヌクレオシド、ヌクレオチド、白金類似体、アントラサイクリン/アントラセンジオン、エピポドフィロトキシン、カンプトテシン、ホルモン及びホルモン類似体、抗ホルモン剤、酵素、タンパク質、ペプチド、抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びタキサン類似体、抗微小管剤、アルキル化剤、エポチロン、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、タンパク質、ペプチド、酵素、又は他の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤からなる群より選択される請求項191記載の方法。
請求項193
さらに、1又はそれ以上の水分補給工程を含む請求項162記載の方法。
請求項194
化学療法剤(単数又は複数)が、癌を有する被験体の治療に利用される請求項191記載の方法。
請求項195
被験体がヒトである請求項162記載の方法。
請求項196
化学療法剤が、卵巣、胸部、肺、食道、胃、膵臓、肝臓(胆管、胆嚢及びファーター膨大部を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、膀胱、尿路上皮、前立腺、子宮内膜、子宮、頸部、卵管、中枢神経系、末梢神経系、並びにリンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの他の癌からなる群より選択される任意の1又はそれ以上の癌の治療用である請求項162記載の方法。
請求項197
組成物が、経口投与に適した形態である請求項162記載の方法。
請求項198
組成物が、非経口投与に適した形態である請求項162記載の方法。
請求項199
組成物が、静脈内に投与される請求項198記載の方法。
請求項200
化学療法剤を受ける被験体において毒性を低減、予防、緩和又は遅延する方法であって、この方法は、薬学的に有効な量の式(I):X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)であり;R2はスルホナート又はホスホナートであり;Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種で置換されていてもよい)である]の化合物(composition);及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、多形体、立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体;を含む組成物を、必要とする被験体に投与するものであり;前記化合物(composition)が、約1mg/mL/分〜約50mg/mL/分の割合で前記被験体に投与される方法。
請求項201
化合物(composition)が、約1mg/mL/分〜約20mg/mL/分の割合で投与される請求項200記載の方法。
請求項202
化合物(composition)が、約7mg/mL/分の割合で投与される請求項200記載の方法。
請求項203
化合物(composition)が、約45分にわたって投与される請求項200記載の方法。
請求項204
化合物(composition)が、約100mg/mLの濃度で投与される請求項200記載の方法。
請求項205
化合物(composition)が、約45分にわたって約100mg/mLの組成物濃度で投与される請求項200記載の方法。
請求項206
化合物(composition)が、式(I)の薬学的に許容可能な塩である請求項200記載の方法。
請求項207
塩が、二ナトリウム塩である請求項206記載の方法。
請求項208
塩が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、アンモニウム塩、又は一カリウム塩からなる群より選択される請求項206記載の方法。
請求項209
化合物(composition)が、1日約1回〜5週毎に約1回投与される請求項200記載の方法。
請求項210
化合物(composition)が、1日約1回〜3週毎に約1回投与される請求項200記載の方法。
請求項211
化合物(composition)が、1日約1回〜2週毎に約1回投与される請求項200記載の方法。
請求項212
化合物(composition)が、1日約1回〜1週毎に約1回投与される請求項200記載の方法。
請求項213
化合物(composition)が、1日毎に約1回、2日毎に約1回、3日毎に約1回、4日毎に約1回、約5日毎に1回、又は6日毎に約1回からなる群より選択される期間において投与される請求項1記載の方法。請求項200記載の方法。
請求項214
化学療法剤の投与に関連する1より多い毒性の形態を低減、予防、緩和又は遅延する請求項200記載の方法。
請求項215
毒性が、神経毒性、腎毒性、骨髄抑制、肝毒性、又は悪心(又は吐き気)もしくは嘔吐からなる群より選択される請求項200記載の方法。
請求項216
化学療法剤治療サイクル間の期間を短縮する請求項200記載の方法。
請求項217
化学療法剤の投与量を増大する請求項200記載の方法。
請求項218
化学療法的治療の回数を増大する請求項200記載の方法。
請求項219
さらに、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法的治療の前に、各化学療法的治療の直前に、化学療法的治療とともにもしくは化学療法的治療の間に同時に、化学療法の直後に、又は化学療法の後に、療法前治療を投与する請求項200記載の方法。
請求項220
化学療法剤が、タキサン類似体である請求項200記載の方法。
請求項221
化学療法剤が、ドセタキセルである請求項200記載の方法。
請求項222
化学療法剤が、パクリタキセルである請求項200記載の方法。
請求項223
化学療法剤が、白金類似体である請求項200記載の方法。
請求項224
化学療法剤が、シスプラチンである請求項200記載の方法。
請求項225
化学療法剤が、カルボプラチンである請求項200記載の方法。
請求項226
化学療法剤が、オキサリプラチンである請求項200記載の方法。
請求項227
化学療法剤が、サトラプラチンである請求項200記載の方法。
請求項228
さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する請求項200記載の方法。
請求項229
化学療法剤が、フルロピリミジン、ピリミジンヌクレオシド、葉酸拮抗剤、プリンヌクレオシド、ヌクレオチド、白金類似体、アントラサイクリン/アントラセンジオン、エピポドフィロトキシン、カンプトテシン、ホルモン及びホルモン類似体、抗ホルモン剤、酵素、タンパク質、ペプチド、抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びタキサン類似体、抗微小管剤、アルキル化剤、エポチロン、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、タンパク質、ペプチド、酵素又は他の細胞毒性及び/もしくは細胞増殖抑制剤からなる群より選択される請求項228記載の方法。
請求項230
さらに、1又はそれ以上の水分補給工程を含む請求項200記載の方法。
請求項231
化学療法剤(単数又は複数)が、癌を有する被験体の治療のために利用される請求項228記載の方法。
請求項232
被験体がヒトである請求項231記載の方法。
請求項233
化学療法剤が、卵巣、胸部、肺、食道、胃、膵臓、肝臓(胆管、胆嚢及びファーター膨大部を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、膀胱、尿路上皮、前立腺、子宮内膜、子宮、頸部、卵管、中皮腫、中枢神経系、末梢神経系、並びにリンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの他の癌からなる群より選択される任意の1又はそれ以上の癌の治療用である請求項231記載の方法。
請求項234
組成物が、経口投与に適した形態である請求項200記載の方法。
請求項235
組成物が、非経口投与に適した形態である請求項200記載の方法。
請求項236
組成物が、静脈内に投与される請求項235記載の方法。
請求項237
化学療法剤を受ける被験体において毒性を低減、予防、緩和又は遅延する方法であって、この方法は、薬学的に有効な量の式(I):X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)であり;R2はスルホナート又はホスホナートであり;Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種で置換されていてもよい)である]の化合物(composition);及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、多形体、立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体;を含む組成物を、必要とする被験体に投与するものであり;前記化合物(composition)が、前記被験体の正常血漿重量オスモル濃度の約0.1〜約5倍の重量オスモル濃度を有する方法。
請求項238
化合物(composition)が、被験体の正常血漿重量オスモル濃度の約2〜約4倍の重量オスモル濃度を有する請求項237記載の方法。
請求項239
化合物(composition)が、被験体の正常血漿重量オスモル濃度の約3倍の重量オスモル濃度を有する請求項237記載の方法。
請求項240
化合物(composition)が、式(I)の薬学的に許容可能な塩である請求項237記載の方法。
請求項241
塩が、二ナトリウム塩である請求項240記載の方法。
請求項242
塩が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、アンモニウム塩、又は一カリウム塩からなる群より選択される請求項240記載の方法。
請求項243
化合物(composition)が、1日約1回〜5週毎に約1回投与される請求項237記載の方法。
請求項244
化合物(composition)が、1日約1回〜3週毎に約1回投与される請求項237記載の方法。
請求項245
化合物(composition)が、1日約1回〜2週毎に約1回投与される請求項237記載の方法。
請求項246
化合物(composition)が、1日約1回〜1週毎に約1回投与される請求項237記載の方法。
請求項247
化合物(composition)が、1日毎に約1回、2日毎に約1回、3日毎に約1回、4日毎に約1回、約5日毎に1回、又は6日毎に約1回からなる群より選択される期間において投与される請求項237記載の方法。
請求項248
化学療法剤の投与に関連する1より多い毒性の形態を低減、予防、緩和又は遅延する請求項237記載の方法。
請求項249
毒性が、神経毒性、腎毒性、骨髄抑制、肝毒性、又は悪心(又は吐き気)及び嘔吐からなる群より選択される請求項237記載の方法。
請求項250
化学療法剤治療サイクル間の期間を短縮する請求項237記載の方法。
請求項251
化学療法剤の投与量を増大する請求項237記載の方法。.
請求項252
化学療法的治療の回数を増大する請求項237記載の方法。
請求項253
さらに、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法的治療の前に、各化学療法的治療の直前に、化学療法的治療とともにもしくは化学療法的治療の間に同時に、化学療法の直後に、又は化学療法の後に、療法前治療を投与する請求項237記載の方法。
請求項254
化学療法剤が、タキサン類似体である請求項237記載の方法。
請求項255
化学療法剤が、ドセタキセルである請求項237記載の方法。
請求項256
化学療法剤が、パクリタキセルである請求項237記載の方法。
請求項257
化学療法剤が、白金類似体である請求項237記載の方法。
請求項258
化学療法剤が、シスプラチンである請求項237記載の方法。
請求項259
化学療法剤が、カルボプラチンである請求項237記載の方法。
請求項260
化学療法剤が、オキサリプラチンである請求項237記載の方法。
請求項261
化学療法剤が、サトラプラチンである請求項237記載の方法。
請求項262
さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する請求項237記載の方法。
請求項263
化学療法剤が、フルロピリミジン、ピリミジンヌクレオシド、葉酸拮抗剤、プリンヌクレオシド、ヌクレオチド、白金類似体、アントラサイクリン/アントラセンジオン、エピポドフィロトキシン、カンプトテシン、ホルモン及びホルモン類似体、抗ホルモン剤、酵素、タンパク質、ペプチド、抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びタキサン類似体、抗微小管剤、アルキル化剤、エポチロン、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、タンパク質、ペプチド、酵素、又は他の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤からなる群より選択される請求項262記載の方法。
請求項264
さらに、1又はそれ以上の水分補給工程を含む請求項237記載の方法。
請求項265
化学療法剤(単数又は複数)が、癌を有する被験体の治療に利用される請求項262記載の方法。
請求項266
被験体がヒトである請求項265記載の方法。
請求項267
化学療法剤が、卵巣、胸部、肺、食道、胃、膵臓、肝臓(胆管、胆嚢及びファーター膨大部を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、膀胱、尿路上皮、前立腺、子宮内膜、子宮、頸部、卵管、中枢神経系、末梢神経系、並びにリンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの他の癌からなる群より選択される任意の1又はそれ以上の癌の治療用である請求項265記載の方法。
請求項268
組成物が、経口投与に適した形態である請求項237記載の方法。
請求項269
組成物が、非経口投与に適した形態である請求項237記載の方法。
請求項270
組成物が、静脈内に投与される請求項269記載の方法。
請求項271
化学療法剤を受ける被験体において毒性を低減、予防、緩和又は遅延する方法であって、この方法は、薬学的に有効な量の式(I):X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)であり;R2はスルホナート又はホスホナートであり;Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種で置換されていてもよい)である]の化合物;及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、多形体、立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体;を含む組成物を、必要とする被験体に投与する工程を含み;前記化合物(composition)が、前記被験体に約0.1g/分〜約4.6g/分の割合で、約4g/m2〜約35g/m2の総用量で投与される方法。
請求項272
化合物(composition)が、約0.2g/分〜約2.0g/分の割合で投与される請求項271記載の方法。
請求項273
化合物(composition)が、約0.7g/分の割合で投与される請求項271記載の方法。
請求項274
化合物(composition)が、約45分にわたって投与される請求項271記載の方法。
請求項275
化合物(composition)が、約100mg/mLの濃度で投与される請求項271記載の方法。
請求項276
化合物(composition)が、約45分にわたって約100mg/mLの組成物濃度で投与される請求項271記載の方法。
請求項277
化合物(composition)が、式(I)の薬学的に許容可能な塩である請求項271記載の方法。
請求項278
塩が、二ナトリウム塩である請求項277記載の方法。
請求項279
塩が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、アンモニウム塩、又は一カリウム塩からなる群より選択される請求項277記載の方法。
請求項280
化合物(composition)が、1日約1回〜5週毎に約1回投与される請求項271記載の方法。
請求項281
化合物(composition)が、1日約1回〜3週毎に約1回投与される請求項271記載の方法。
請求項282
化合物(composition)が、1日約1回〜2週毎に約1回投与される請求項271記載の方法。
請求項283
化合物(composition)が、1日約1回〜1週毎に約1回投与される請求項271記載の方法。
請求項284
化合物(composition)が、1日毎に約1回、2日毎に約1回、3日毎に約1回、4日毎に約1回、約5日毎に1回、又は6日毎に約1回からなる群より選択される期間において投与される請求項271記載の方法。
請求項285
化学療法剤の投与に関連する1より多い毒性の形態を低減、予防、緩和又は遅延する請求項271記載の方法。
請求項286
毒性が、神経毒性、腎毒性、骨髄抑制、肝毒性、又は悪心(又は吐き気)及び嘔吐からなる群より選択される請求項271記載の方法。
請求項287
化学療法剤治療サイクル間の期間を短縮する請求項271記載の方法。
請求項288
化学療法剤の投与量を増大する請求項271記載の方法。
請求項289
化学療法的治療の回数を増大する請求項271記載の方法。
請求項290
さらに、化学療法の少なくとも1日前に、各化学療法的治療の前に、各化学療法的治療の直前に、化学療法的治療とともにもしくは化学療法的治療の間に同時に、化学療法の直後に、又は化学療法の後に、療法前治療を投与する請求項271記載の方法。
請求項291
化学療法剤が、タキサン類似体である請求項271記載の方法。
請求項292
化学療法剤が、ドセタキセルである請求項271記載の方法。
請求項293
化学療法剤が、パクリタキセルである請求項271記載の方法。
請求項294
化学療法剤が、白金類似体である請求項271記載の方法。
請求項295
化学療法剤が、シスプラチンである請求項271記載の方法。
請求項296
化学療法剤が、カルボプラチンである請求項271記載の方法。
請求項297
化学療法剤が、オキサリプラチンである請求項271記載の方法。
請求項298
化学療法剤が、サトラプラチンである請求項271記載の方法。
請求項299
さらに、1又はそれ以上の化学療法剤を投与する請求項271記載の方法。
請求項300
化学療法剤が、フルロピリミジン、ピリミジンヌクレオシド、葉酸拮抗剤、プリンヌクレオシド、ヌクレオチド、白金類似体、アントラサイクリン/アントラセンジオン、エピポドフィロトキシン、カンプトテシン、ホルモン及びホルモン類似体、抗ホルモン剤、酵素、タンパク質、ペプチド、抗体、ビンカアルカロイド、タキサン及びタキサン類似体、抗微小管剤、アルキル化剤、エポチロン、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、タンパク質、ペプチド、酵素、又は他の細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制剤からなる群より選択される請求項299記載の方法。
請求項301
さらに、1又はそれ以上の水分補給工程を含む請求項271の方法。
請求項302
化学療法剤(単数又は複数)が、癌を有する被験体の治療に利用される請求項299記載の方法。
請求項303
被験体がヒトである請求項302記載の方法。
請求項304
化学療法剤が、卵巣、胸部、肺、食道、胃、膵臓、肝臓(胆管、胆嚢及びファーター膨大部を含む)、精巣、胚細胞、骨、軟骨、頭部、頸部、口腔粘膜、結腸直腸領域、肛門、腎臓、膀胱、尿路上皮、前立腺、子宮内膜、子宮、頸部、卵管、中枢神経系、末梢神経系、並びにリンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、白血病及びカポージ肉腫などの他の癌からなる群より選択される任意の1又はそれ以上の癌の治療用である請求項302記載の方法。
請求項305
組成物が、経口投与に適した形態である請求項271記載の方法。
請求項306
組成物が、非経口投与に適した形態である請求項271記載の方法。
請求項307
組成物が、静脈内に投与される請求項306記載の方法。
請求項308
薬学的に有効な量の式(I):X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)であり;R2はスルホナート又はホスホナートであり;Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種で置換されていてもよい)である]の化合物(composition);及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、多形体、立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体;を含む組成物を、必要とする被験体に投与できる医療用装置であって、前記化合物(composition)を、被験体に約0.1g/分〜約2.0g/分の割合で前記被験体に投与する医療用装置。
請求項309
埋込可能な輸液装置である請求項308記載の装置。
請求項310
埋込可能な輸液装置が、受動型輸液装置である請求項309記載の装置。
請求項311
埋込可能な輸液装置が、能動型輸液装置である請求項309記載の装置。
請求項312
式(I)の化合物(composition)が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項308記載の装置。
請求項313
薬学的に有効な量の式(I):X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)であり;R2はスルホナート又はホスホナートであり;Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種で置換されていてもよい)である]の化合物(composition);及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、多形体、立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体;を含む組成物を、必要とする被験体に投与できる医療用装置であって、前記化合物(composition)を、被験体に約0.1g/分〜約4.6g/分の割合で、約4g/m2〜約35g/m2の総用量で投与する医療用装置。
請求項314
埋込可能な輸液装置である請求項313記載の装置。
請求項315
埋込可能な輸液装置が、受動型輸液装置である請求項314記載の装置。
請求項316
埋込可能な輸液装置が、能動型輸液装置である請求項314記載の装置。
請求項317
式(I)の化合物(composition)が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項313記載の装置。
請求項318
薬学的に有効な量の式(I):X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)であり;R2はスルホナート又はホスホナートであり;Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種で置換されていてもよい)である]の化合物(composition);及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、多形体、立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体;を含む組成物を、必要とする被験体に投与できる医療用装置であって、前記化合物(composition)を、被験体に約1mg/mL/分〜約50mg/mL/分の割合で投与する医療用装置。
請求項319
埋込可能な輸液装置である請求項318記載の装置。
請求項320
埋込可能な輸液装置が、受動型輸液装置である請求項319記載の装置。
請求項321
埋込可能な輸液装置が、能動型輸液装置である請求項319記載の装置。
請求項322
式(I)の化合物(composition)が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項318記載の装置。
請求項323
薬学的に有効な量の式(I):X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はアリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)であり;R2はスルホナート又はホスホナートであり;Xは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸を含むペプチド(ここで、Xは、対応する水素原子が、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種で置換されていてもよい)である]の化合物(composition);及びその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、類似体、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物、多形体、立体異性体(ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む)及び互変異性体;を含む組成物を、必要とする被験体に投与できる医療用装置であって、前記化合物(composition)が、前記被験体の正常血漿重量オスモル濃度の約0.1〜約5倍の重量オスモル濃度を有する医療用装置。
請求項324
埋込可能な輸液装置である請求項323記載の装置。
請求項325
埋込可能な輸液装置が、受動型輸液装置である請求項324記載の装置。
請求項326
埋込可能な輸液装置が、能動型輸液装置である請求項324記載の装置。
請求項327
式(I)の化合物(composition)が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項323記載の装置。
請求項328
被験体において間欠性及び蓄積性神経障害を緩和又は予防するための組成物であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む組成物。
請求項329
被験体において間欠性神経障害を緩和又は予防するための組成物であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む組成物。
請求項330
間欠性神経障害が、化学療法治療、放射線治療及び糖尿病からなる群より選択される疾患及び/又は治療によって生じる請求項328又は329記載の組成物。
請求項331
化学療法治療が、フルロピリミジン;ピリミジンヌクレオシド;プリンヌクレオシド;葉酸拮抗剤、白金錯体;アントラサイクリン/アントラセンジオン;エピポドフィロトキシン;カンプトテシン;ホルモン;ホルモン複合体;抗ホルモン剤;酵素、タンパク質、ペプチド、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体;ビンカアルカロイド;タキサン;エポチロン;抗微小管剤;アルキル化剤;代謝拮抗物質;トポイソメラーゼ阻害剤;抗ウイルス薬;並びに種々の細胞毒性及び細胞増殖抑制剤からなる群より選択される1又はそれ以上の化学療法剤による治療を含む請求項330記載の組成物。
請求項332
白金薬剤が、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン、並びにそれらの誘導体及び類似体からなる群より選択される請求項331記載の組成物。
請求項333
タキサン薬剤が、ドセタキセル、パクリタキセル、ポリグルタミン酸型パクリタキセル、リポソーマルパクリタキセル、並びにそれらの誘導体及び類似体からなる群より選択される請求項331記載の組成物。
請求項334
投与する白金及びタキサン薬剤が、シスプラチン及びパクリタキセルである請求項331記載の組成物。
請求項335
間欠性神経障害の診断及び治療が、質問票を被験体に与えることにより、治療する医師により、又は両方のアプローチを同時に用いて行われる請求項328又は329記載の組成物。
請求項336
被験体に与えられた質問票が、末梢神経障害質問票(PNQ(コピーライト))である請求項335記載の組成物。
請求項337
式(I)の化合物が、下記構造式:X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、低級アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)又はであり;R2及びR4は、スルホナート又はホスホナートであり;R5は、水素、ヒドロキシ又はスルフヒドリルであり;mは、0、1、2、3、4、5又は6であり;及びXは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸からなるペプチドであるか;又はXは、対応する水素原子の代わりに低級チオアルキル(低級メルカプトアルキル)、低級アルキルスルホナート、低級アルキルホスホナート、低級アルキルスルホナート、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種である]を有し;その薬学的に許容可能な塩、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び多形体を含む請求項328又は329記載の組成物。
請求項338
式(I)の化合物が、二ナトリウム塩である請求項328、329又は337記載の組成物。
請求項339
式(I)の化合物が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、一カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はマンガン塩からなる群より選択される請求項328、329又は337記載の組成物。
請求項340
式(I)の化合物が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項328、329又は337記載の組成物。
請求項341
式(I)の化合物の用量が、約14g/m2〜約22g/m2の範囲である請求項328又は329記載の組成物。
請求項342
式(I)の化合物の用量が、約18.4g/m2である請求項341記載の組成物。
請求項343
タキサン及び白金化学療法薬剤を用いて治療された肺癌を患う被験体において、化学療法により誘導された間欠性神経障害を緩和又は予防するための組成物であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む組成物。
請求項344
肺癌が、非小細胞肺癌である請求項343記載の組成物。
請求項345
タキサン及び白金化学療法薬剤を用いて治療された腺癌を患う被験体において、化学療法により誘導された間欠性神経障害を緩和又は予防するための組成物であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む組成物。
請求項346
白金化学療法薬剤が、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン、並びにそれらの誘導体及び類似体からなる群より選択される請求項343〜345のいずれか一項に記載の組成物。
請求項347
タキサン化学療法薬剤が、ドセタキセル、パクリタキセル、パクリタキセル誘導体、ポリグルタミン酸型パクリタキセル、リポソーマルパクリタキセル、並びにそれらの誘導体及び類似体からなる群より選択される請求項343〜345のいずれか一項に記載の組成物。
請求項348
投与する白金及びタキサン薬剤が、シスプラチン及びパクリタキセルである請求項343〜345のいずれか一項に記載の組成物。
請求項349
肺癌又は腺癌を患う被験体が、パクリタキセル、式(I)の薬学的に許容可能な塩及びシスプラチンを2〜4週毎に1回投与することによって治療された被験体であり、ここで、パクリタキセルの用量が約160mg/m2〜約190mg/m2の範囲、式(I)の化合物の用量が約14g/m2〜約22g/m2の範囲、及びシスプラチンの用量が約60mg/m2〜約100mg/m2の範囲にあり、前記2〜4週毎に1回のパクリタキセル、式(I)の薬学的に許容可能な塩及びシスプラチンの投与が、少なくとも1回繰り返された被験体である請求項343〜345のいずれか一項に記載の方法。
請求項350
肺癌又は腺癌を患う被験体が、パクリタキセル、式(I)の薬学的に許容可能な塩及びシスプラチンを3週毎に1回投与することによって治療された被験体であり、ここで、パクリタキセルの用量が約175mg/m2であり、式(I)の化合物の用量が約18.4g/m2であり、及びシスプラチンの用量が約75mg/m2〜約85mg/m2の範囲にあり、前記3週毎に1回のパクリタキセル、式(I)の薬学的に許容可能な塩及びシスプラチンの投与が、6サイクル繰り返された被験体である請求項349記載の方法。
請求項351
式(I)の化合物が、下記構造式:X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、低級アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)又はであり;R2及びR4は、スルホナート又はホスホナートであり;R5は、水素、ヒドロキシ又はスルフヒドリルであり;mは、0、1、2、3、4、5又は6であり;及びXは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸からなるペプチドであるか;又はXは、対応する水素原子の代わりに低級チオアルキル(低級メルカプトアルキル)、低級アルキルスルホナート、低級アルキルホスホナート、低級アルキルスルホナート、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種である]を有し;その薬学的に許容可能な塩、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び多形体を含む請求項343〜345又は349〜350のいずれか一項に記載の組成物。
請求項352
式(I)の化合物が、二ナトリウム塩である請求項343〜345又は349〜350のいずれか一項に記載の組成物。
請求項353
式(I)の化合物が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、一カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はマンガン塩からなる群より選択される請求項343〜345又は349〜350のいずれか一項に記載の組成物。
請求項354
式(I)の化合物が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項343〜345又は349〜350のいずれか一項に記載の組成物。
請求項355
式(I)の化合物の用量が、約14g/m2〜約22g/m2の範囲である請求項343〜345のいずれか一項に記載の組成物。
請求項356
式(I)の化合物の用量が、約18.4g/m2である請求項355記載の組成物。
請求項357
被験体が、男性である請求項343〜345又は349〜351のいずれか一項に記載の組成物。
請求項358
被験体が、女性である請求項343〜345又は349〜351のいずれか一項に記載の組成物。
請求項359
被験体が、喫煙者である請求項343〜345、349〜351又は357〜358のいずれか一項に記載の組成物。
請求項360
被験体が、非喫煙者である請求項343〜345、349〜351又は357〜358のいずれか一項に記載の組成物。
請求項361
被験体において間欠性及び蓄積性神経障害を緩和又は予防するための方法であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む方法。
請求項362
被験体において間欠性神経障害を緩和又は予防するための方法であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む方法。
請求項363
間欠性神経障害が、化学療法治療、放射線治療及び糖尿病からなる群より選択される疾患及び/又は治療によって生じる請求項361又は362記載の方法。
請求項364
化学療法治療が、フルロピリミジン;ピリミジンヌクレオシド;プリンヌクレオシド;葉酸拮抗剤、白金錯体;アントラサイクリン/アントラセンジオン;エピポドフィロトキシン;カンプトテシン;ホルモン;ホルモン複合体;抗ホルモン剤;酵素、タンパク質、ペプチド、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体;ビンカアルカロイド;タキサン;エポチロン;抗微小管剤;アルキル化剤;代謝拮抗物質;トポイソメラーゼ阻害剤;抗ウイルス薬;並びに種々の細胞毒性及び細胞増殖抑制剤からなる群より選択される1又はそれ以上の化学療法剤による治療を含む請求項363記載の方法。
請求項365
白金薬剤が、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン、並びにそれらの誘導体及び類似体からなる群より選択される請求項363記載の方法。
請求項366
タキサン薬剤が、ドセタキセル、パクリタキセル、ポリグルタミン酸型パクリタキセル、リポソーマルパクリタキセル、並びにそれらの誘導体及び類似体からなる群より選択される請求項363記載の方法。
請求項367
投与する白金及びタキサン薬剤が、シスプラチン及びパクリタキセルである請求項363記載の方法。
請求項368
間欠型の神経障害の診断及び治療が、質問票を被験体に与えることにより、治療する医師により、又は両方のアプローチを同時に用いて行われる請求項361又は362記載の方法。
請求項369
被験体に与えられた質問票が、末梢神経障害質問票(PNQ(コピーライト))である請求項368記載の方法。
請求項370
式(I)の化合物が、下記構造式:X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、低級アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)又はであり;R2及びR4は、スルホナート又はホスホナートであり;R5は、水素、ヒドロキシ又はスルフヒドリルであり;mは、0、1、2、3、4、5又は6であり;及びXは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸からなるペプチドであるか;又はXは、対応する水素原子の代わりに低級チオアルキル(低級メルカプトアルキル)、低級アルキルスルホナート、低級アルキルホスホナート、低級アルキルスルホナート、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種である]を有し;その薬学的に許容可能な塩、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び多形体を含む請求項361又は362記載の方法。
請求項371
式(I)の化合物が、二ナトリウム塩である請求項361、362又は370記載の方法。
請求項372
式(I)の化合物が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、一カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はマンガン塩からなる群より選択される請求項361、362又は370記載の方法。
請求項373
式(I)の化合物が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項361、362又は370記載の方法。
請求項374
式(I)の化合物の用量が、約14g/m2〜約22g/m2の範囲である請求項361又は362記載の方法。
請求項375
式(I)の化合物の用量が、約18.4g/m2である請求項374記載の方法。
請求項376
被験体において間欠性及び蓄積性神経障害を緩和又は予防するための方法であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む方法。
請求項377
タキサン及び白金化学療法薬剤を用いて治療された肺癌を患う被験体において、化学療法により誘導された間欠型の神経障害を緩和又は予防するための方法であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む方法。
請求項378
肺癌が、非小細胞肺癌である請求項377記載の方法。
請求項379
タキサン及び白金化学療法薬剤を用いて治療された腺癌を患う被験体において、化学療法により誘導された間欠型の神経障害を緩和又は予防するための方法であって、医学的に十分な投与量で前記被験体に提供される式(I)の化合物を含む方法。
請求項380
白金化学療法薬剤が、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン、並びにそれらの誘導体及び類似体からなる群より選択される請求項376〜379のいずれか一項に記載の方法。
請求項381
タキサン化学療法薬剤が、ドセタキセル、パクリタキセル、ポリグルタミン酸型パクリタキセル、リポソーマルパクリタキセル、並びにそれらの誘導体及び類似体からなる群より選択される請求項376〜379のいずれか一項に記載の方法。
請求項382
投与する白金及びタキサン薬剤が、シスプラチン及びパクリタキセルである請求項376〜379のいずれか一項に記載の方法。
請求項383
肺癌又は腺癌を患う被験体が、パクリタキセル、式(I)の薬学的に許容可能な塩及びシスプラチンを2〜4週毎に1回投与することによって治療された被験体であり、ここで、パクリタキセルの用量が約160mg/m2〜約190mg/m2の範囲、式(I)の化合物の用量が約14g/m2〜約22g/m2の範囲、及びシスプラチンの用量が約60mg/m2〜約100mg/m2の範囲にあり、前記2〜4週毎に1回のパクリタキセル、式(I)の薬学的に許容可能な塩及びシスプラチンの投与が、少なくとも1回繰り返された被験体である請求項376〜379のいずれか一項に記載の方法。
請求項384
肺癌又は腺癌を患う被験体が、パクリタキセル、式(I)の薬学的に許容可能な塩及びシスプラチンを3週毎に1回投与することによって治療された被験体であり、ここで、パクリタキセルの用量が約175mg/m2であり、式(I)の化合物の用量が約18.4g/m2であり、及びシスプラチンの用量が約75mg/m2〜約85mg/m2の範囲にあり、前記3週毎に1回のパクリタキセル、式(I)の薬学的に許容可能な塩及びシスプラチンの投与が、6サイクル繰り返された被験体である請求項383記載の方法。
請求項385
式(I)の化合物が、下記構造式:X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、低級アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)又はであり;R2及びR4は、スルホナート又はホスホナートであり;R5は、水素、ヒドロキシ又はスルフヒドリルであり;mは、0、1、2、3、4、5又は6であり;及びXは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸からなるペプチドであるか;又はXは、対応する水素原子の代わりに低級チオアルキル(低級メルカプトアルキル)、低級アルキルスルホナート、低級アルキルホスホナート、低級アルキルスルホナート、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種である]を有し;その薬学的に許容可能な塩、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び多形体を含む請求項376〜379又は383〜384のいずれか一項に記載の方法。
請求項386
式(I)の化合物が、二ナトリウム塩である請求項376〜379又は383〜385のいずれか一項に記載の方法。
請求項387
式(I)の化合物が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、一カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はマンガン塩からなる群より選択される請求項376〜379又は383〜385のいずれか一項に記載の方法。
請求項388
式(I)の化合物が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項376〜379又は383〜385のいずれか一項に記載の方法。
請求項389
式(I)の化合物の用量が、約14g/m2〜約22g/m2の範囲である請求項376〜379のいずれか一項に記載の方法。
請求項390
式(I)の化合物の用量が、約18.4g/m2である請求項389記載の方法。
請求項391
被験体が、男性である請求項376〜379又は383〜384のいずれか一項に記載の方法。
請求項392
被験体が、女性である請求項376〜379又は383〜384のいずれか一項に記載の方法。
請求項393
被験体が、喫煙者である請求項376〜379、383〜384又は391〜392のいずれか一項に記載の方法。
請求項394
被験体が、非喫煙者である請求項376〜379、383〜384又は391〜392のいずれか一項に記載の方法。
請求項395
患者の質問票、及び被験体への投与のための式の化合物、並びに間欠性末梢神経障害を診断するための前記質問票を与えるための説明書、及び間欠性末梢神経障害の緩和及び/又は予防するのに十分な量で前記式(I)の化合物を投与するための説明書を含むキット。
請求項396
患者の質問票が、末梢神経障害質問票(PNQ(コピーライト))である請求項395記載のキット。
請求項397
被験体が、癌を患い、かつ化学療法を受けている請求項395記載のキット。
請求項398
さらに、タキサン薬剤及び/又は白金薬剤を投与するための説明書を含むキットであって、前記白金薬剤が、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン、並びにそれらの類似体及び誘導体からなる群より選択される請求項396記載のキット。
請求項399
さらに、白金薬剤及び/又はタキサン薬剤を投与するための説明書を含むキットであって、前記タキサン薬剤が、ドセタキセル、パクリタキセル、ポリグルタミン酸型パクリタキセル、リポソーマルパクリタキセル、並びにそれらの類似体及び誘導体からなる群より選択される請求項396記載のキット。
請求項400
白金及びタキサン薬剤が、シスプラチン及びパクリタキセルである請求項396記載のキット。
請求項401
式(I)の化合物が、下記構造式:X−S−S−R1−R2[式中、R1は低級アルキレン(ここで、R1は、対応する水素原子が、低級アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アリールチオからなる群の一種で置換されていてもよい)又はであり;R2及びR4は、スルホナート又はホスホナートであり;R5は、水素、ヒドロキシ又はスルフヒドリルであり;mは、0、1、2、3、4、5又は6であり;及びXは、硫黄含有アミノ酸又は2〜10個のアミノ酸からなるペプチドであるか;又はXは、対応する水素原子の代わりに低級チオアルキル(低級メルカプトアルキル)、低級アルキルスルホナート、低級アルキルホスホナート、低級アルキルスルホナート、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ又はヒドロキシからなる群の一種である]を有し;その薬学的に許容可能な塩、結合体(抱合体)、水和物、溶媒和物及び多形体を含む請求項395又は396記載のキット。
請求項402
式(I)の化合物が、二ナトリウム塩である請求項395又は396記載のキット。
請求項403
式(I)の化合物が、一ナトリウム塩、ナトリウムカリウム塩、二カリウム塩、一カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はマンガン塩からなる群より選択される請求項395又は396記載のキット。
請求項404
式(I)の化合物が、2,2’−ジチオ−ビス−エタンスルホン酸二ナトリウムである請求項395又は396記載のキット。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
JP6349475B2|2018-06-27|Cancer treatment
JP6513467B2|2019-05-15|Combination and mode of administration of therapeutic agents and combination therapy
AU2016202815B2|2018-02-08|Methods of treatment of pancreatic cancer
Argyriou et al.2008|A review on oxaliplatin-induced peripheral nerve damage
Mayer et al.1997|Full blockade of intestinal P-glycoprotein and extensive inhibition of blood-brain barrier P-glycoprotein by oral treatment of mice with PSC833.
US20160184353A1|2016-06-30|Administration of a thiol-based chemoprotectant compound
JP2018184434A|2018-11-22|組成物及び薬物送達方法
Argyriou et al.2008|Peripheral nerve damage associated with administration of taxanes in patients with cancer
US20140303257A1|2014-10-09|Use of EDG Receptor Binding Agents in Cancer
Miltenburg et al.2014|Chemotherapy-induced neuropathy: a comprehensive survey
US8911786B2|2014-12-16|Nanoparticle comprising rapamycin and albumin as anticancer agent
US6147060A|2000-11-14|Treatment of carcinomas using squalamine in combination with other anti-cancer agents
Hospers et al.1999|The sulfhydryl containing compounds WR-2721 and glutathione as radio-and chemoprotective agents. A review, indications for use and prospects
ES2639038T3|2017-10-25|Métodos para el tratamiento de cáncer de vejiga
ES2659466T3|2018-03-15|Emulsión que contiene hormonas
Joseph et al.2009|Comparison of oxaliplatin-and cisplatin-induced painful peripheral neuropathy in the rat
Carlson et al.2011|Peripheral neuropathy with microtubule-targeting agents: occurrence and management approach
TWI353835B|2011-12-11|Novel methods for identifying improved, non-sedati
US7041640B2|2006-05-09|Method, compositions and kits for increasing the oral bioavailability of pharmaceutical agents
JP5046922B2|2012-10-10|少なくとも一つのピロロベンゾジアゼピン誘導体とフルダラビンとを含有する治療用組成物
Mielke et al.2006|Peripheral neuropathy: a persisting challenge in paclitaxel-based regimes
ES2564194T3|2016-03-18|Formulaciones líquidas para el tratamiento de enfermedades o dolencias
ES2621141T3|2017-07-03|Combinación farmacéutica que comprende un inhibidor de Hsp 90 y un inhibidor de mTOR
Scripture et al.2006|Peripheral neuropathy induced by paclitaxel: recent insights and future perspectives
Kannarkat et al.2007|Neurologic complications of chemotherapy agents
同族专利:
公开号 | 公开日
WO2009113984A1|2009-09-17|
EP2252246A1|2010-11-24|
JP5667885B2|2015-02-12|
EP2252246A4|2011-10-26|
AU2008352598A1|2009-09-17|
ES2476602T3|2014-07-15|
AU2008352598B2|2012-06-07|
EP2252246B1|2014-06-18|
CA2717915A1|2009-09-17|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-03-05| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110304 |
2011-03-05| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110304 |
2013-04-24| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130423 |
2013-07-18| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20130717 |
2013-07-25| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20130724 |
2013-10-18| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131017 |
2014-05-28| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140527 |
2014-09-19| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140918 |
2014-09-26| A911| Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20140925 |
2014-11-14| TRDD| Decision of grant or rejection written|
2014-11-26| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141125 |
2014-12-18| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141215 |
2014-12-19| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5667885 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
2017-12-12| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2019-03-26| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2019-12-17| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2020-12-18| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2021-11-29| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]